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CREATORS' COLUMN
書籍紹介 新井一 著「シナリオの基礎技術」

コラムをご覧の皆さん

こんにちは!

クリエイターの白水汰一です。

 

今回はどちらかというとクリエイター向けの

シナリオに関する本の紹介です。

 

「シナリオの基礎技術」新井一著/ダヴィド社

Amazonの商品ページ

https://www.amazon.co.jp/dp/4804801758/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_A8OdEb1PYR853

少々昔の本ではありますが、

シナリオについて基本となる型やシナリオそのものの構造、

プロとして通用させるための知らなくてはならない技術などが解説されています。

 

シナリオの構造って何?

映画やテレビ、漫画などのストーリーを進めるにあたって

登場人物やドラマが展開される場所、セリフ、動作などを書き表す必要があります。

この人物、場所、セリフ、動作といった要素には順番や決まりごとがあり、

それがシナリオの型になります。そして、型を守りつつ、

ストーリーをドラマとして描写したものがシナリオになります。

実はこの基本ができてないと業界では読んですらもらえないかもよ!?という

シナリオの基礎の基礎ということで解説されています。

 

漫画づくりにも置き換えられる

シナリオの書式自体は必ずしも漫画のシナリオを描くうえでは必要ありません。

その役割を担っているのはネームだからです。

ただ、本書で解説されているのは何も書式的なことにはとどまりません。

主に映像芸術におけるシナリオ技法についての解説がとても充実しています。

そしてそれはそのまま漫画のネームづくりにも役立てることができるものでした。

例を挙げると

・映像芸術(映画)の特性-時間や空間を自由に飛ばしたりすることができる。カメラという枠があることで、見せたいものをクローズアップできるなど、舞台芸術にはない技法が存在する。この時間や空間の飛躍やカメラの枠が漫画で言うところの「コマ割り」に該当します。

・ドラマを描くということ—ドラマ=登場人物の感情を描くということと、そのための技術です。シナリオはこのドラマを表現するためのもので、ストーリーをドラマとして展開させるための最も基本的な構成が「起承転結」になります。また、人物の感情をいかに説明ではなく表現するかもキーになります。

・シナリオの構成—「起承転結」の基本構造と、各セクションの役割についての解説です。

・描写ということ—人物描写、心理描写、場所の描写、時間の処理などの描写方法によってドラマを伝えるための技術です。セリフやナレーション、小道具などをいかに使うかなど技術的な解説は漫画の指南書でも比較的少ないので勉強になりました。

・よくあるシナリオの誤り診断学―アマチュアがおかしやすいシナリオの誤りをカテゴリー分けして、種類ごとに原因と対策方法を解説してありました。シナリオを客観的に見直す方法について解説されているのは珍しいと思います。

上記はかなりざっくりとした例で、実際には実践的な技術が役300ページにわたり解説されています。

 

シナリオを学ぶということ

本書で学ぶことができる基礎技術やシナリオの構造とは

料理でいえばカレールーのパッケージの裏にある作り方のようなものではないかと思います。

カレー作りにちょっと凝ってみようとリンゴを入れたりはちみつを入れたりしますが

箱に描いてある作り方通りに作った方が何だかんだで一番おいしい!というような…

実際、水の分量や火加減なんて細かいところも箱に書いてあるんですが、それぞれちゃんと理由があります。

基本の作り方をなぞるのは「型を知る」という段階で、更にその作り方でカレーが美味しく出来上がる理由が

わかることが「型を理解する」という段階です。理解すれば、それを利用してカスタマイズすることができるのです。

 

シナリオも同じで、構造など知らなくとも書くことはできます(出来てしまうのです)

ただ、基本構造を知らない、理解していないと映画、テレビ業界では読んですらもらえない可能性もあるのが現状のようです。

漫画のネームだって、その段階で面白さが伝わらないと原稿化すらできずに没になってしまうという現状があります。

 

何故この本を読んだのかというと、

漫画作りの造詣をより深めるために基礎となるシナリオについて学びたいと感じたからです。

シナリオについて学びたい最たる理由は、

「漫画を作る」という点において漫画家と漫画を利用する立場の方(商業誌で言えば編集者)の間で

まだまだ認識の違いがあると感じているからです。

そしてもう一つ、マンプロが作家を育む場でもあるなかで

技術研究や技術共有をもっと推進したいと思ったからです。

そのために先ずは私も漫画作りの基本についてもっと理解し、それを言葉にできなければ…

とうことで本書を紐解きました。

漫画の指南書でもシナリオ作りを技術として解説している書籍は少ないと感じますし、

こと漫画業界ではストーリーとシナリオが混同して考えられていることもしばしばあります。

 

コラムを通じて本書やシナリオ作りにご興味を持っていただけたら幸いです。

また私自身も作家のひとりとして今後、より技術を高めていきたいと思います。

 

 

 

 

 

作者:白水汰一
鹿児島県内でイベントや観光のポスター、看板、パンフレット等のメインビジュアルのデザインを多く手掛けております。
◯お仕事内容
・コンセプトアート(キャラクター、背景を含む一枚絵)
・キャラクターデザイン
・Live2Dアバター作成(作画、モデリング、モーション)
・広告漫画(ネーム、作画)
・似顔絵、ウェルカムボード
得意な絵柄はアニメ塗りで少年誌~青年誌風のタッチですが、CG塗りや厚塗りにも対応致します。
2019年6月~某専門学校にてコンピューターグラフィック(2D)の講師を始めました。