今回の「漫画化家は見た!」シリーズ、面白い広告を取り上げました。人の発想というのは際限がない!ということを気づかせてくれる秀逸アイデアです。広告主は、かの「キンチョール」いつも見る側を楽しませてくれる遊び心あふれるメーカーさんですね。
画像は「広告ラボ」さんから拝借しております。同社のサイトは
https://media.bizpa.net/
この広告シリーズ、3日連続で掲載された新聞広告です。まず、3日連続で掲載すること自体がまず見かけませんね。ここがある意味“非常識”。人間には
傾向があります。毎日それこそ洪水のような情報を目にしている現代人にとって何もかもが当たり前すぎる状態になっています。だからこそほとんどの広告情報に目をやりません。そうしないと頭がパンクしてしまうからです。
この3回シリーズの第1回目に出された広告が上記の写真。商品の写真とロゴ、そして短めの言葉が入ったシンプルなデザイン15段の全面広告です。空間を巧みに使った広告は数多くありますが、この場合はややムダとも思えるスペースを敢えて作っています。
そしてここに挑戦的なキャッチコピー。
「お風呂の防カビムエンダーを知ってもらうだけのために、こんな全面広告する必要あるんか。三分の一くらいのスペースでええんとちゃうか」
と広告の大きさを指摘するコメントが入る面白い内容の広告になっていました。これに対し、「明日、やってみます」と回答。ここが洒落っ気たっぷりですね。人の心をくすぐるコピーに妙に親近感を感じます。関西弁のノリであることもポイントかもしれません。(ある意味なんでも許せる語感があります。)
そこで2日目に登場したのが下の広告
全5段の広告です。
「ほら見てみ、これくらいのスペースで十分やないか・・・もっとちいさくてもええんちゃうか」のツッコミ
「明日やってみます」
の回答。そして3日目にはこのような広告となりました。
極端に小さいスペースです。すると
「いくらなんでも小さすぎる、でっかくしてくれ」
とのコピー。「もうどうせえちゅうねん」とツッコミを入れたくなるような表現です。これきっと3日目にはどこに広告が掲載されているのだろうと読者は探し回ったはずです。そんな光景が目に浮かびます。
しかし、注目すべきは1日目、2日目にはなかった“SNS”への誘導コピー(QRコード)が入っていることです。きっとこの商品への興味が湧いたはずです。ここが憎らしいほどの演出ですね。1日目、2日目は敢えて設けた
“撒き餌”
の役割です。そして3日目で消費者の心をグイと釣り上げています。
新聞広告などつい流し読みする現代人の心をグイとつかむ広告手法でした。でも「こんな芸当ができるのはそれなりに予算を持った大手企業しかできないのでは?」と疑問を持たれる方もあるでしょう。それはそうかもしれません。しかし、大事なことはこうした広告をそのまま真似るのではなく
という姿勢が何より大事なように思います。いかがですか?それにしてもいやはや金鳥さんの自由な社風にあっぱれ!