「ブラックサンダー」というお菓子で著名な有楽製菓の会長のお話を聞く機会に恵まれました。体操の金メダリスト内村航平選手が大のファンだということで一気に火が点いたメーカーですが、かねてからの企業活動そのものが
にあふれる企業で、伸びるべくして伸びる要素のたっぷり詰まった企業だと感じました。まずは、当日会場で配られた試供品。パッケージの表面がクイズ形式になっているのです。正解はパッケージの裏面にありました。
ここでまずは興味津々。そしてホームページを見てみるとこれがまた楽しい情報のオンパレード。紹介するとキリがありませんが、少々紹介してみます。まずは
ブラックサンダー好きの消費者が「黒い広報員」として集い、社員と一緒にブラックサンダーの魅力を日々発信する(公式TwitterアカウントにてLIVE配信も行っている)コミュニティを組織化し、2,300人以上の方がメンバーになっているとか。これすごいことです。無料でブラックサンダーを拡散してくれるとともにメーカーでありながら消費者の顔が見えるのです。
あと、北海道限定の「白いブラックサンダー(白と黒の対比が絶妙)」というのもあるそうです。「白い恋人」を意識したのかはわかりませんが・・・それに「ピンクなブラックサンダー」も存在しています。
こんなのもありました。同社の創業地にあるJR系ホテルとタイアップし、コンセプトルーム「ブラックサンダールーム」を販売してるとか・・・。部屋のすべてが「ブラックサンダー」のデザインやコンセプトを再現した部屋になっています。これ、ファンにとってはたまらないですね。
また、バレンタインシーズンにおいては「一目で義理とわかるチョコ」を掲げ商品を展開していましたが、義理チョコ文化を煽りすぎてしまったことを反省し、青春時代を思い出すバレンタインコレクションというガチ本気チョコのシリーズも手掛けSNSで発信しています。まさに遊び心満載のメーカーさんですね。恐れ入りました。
考えてみれば、こうした活動も熱狂的ともいえる顧客・ファンが存在してこそできることです。この根底にあるのは同社の企業理念、ポリシーが大きく関わっていると思います。同社のホームページをのぞいてみると
を目指し、働く我々社員もワクワクした気持ちでお菓子を作り、お客様に“夢のあじ”を楽しんでいただきたいと感じています。そして、お客様にお得感を感じてもらいながら、既成の枠にとらわれないユニークな発想を提供し続け、業界の中でも常にオンリーワンの企業でありたいと考えています。
とあります。お菓子はあくまでもツールであってお客に届けているのは“ワクワク感” “夢の味”なのです。こうした企業姿勢に共感する人たちに同社は支えられていると言っていいかもしれません。実に素晴らしい企業形態だと言えます。こうしたことも相まって同社の売り上げは10数年で4倍近くになったとか・・・(ここは聞き漏らしたので若干不確かではありますが…)
これまでのメーカーはどこの誰が、どんな理由で買ってくれたのかがわからない、掴んでいないケースがほとんどでした。これを克服するために直販(通販)部門を充実させてきたわけですね。しかし、実際オンラインで顔が見えるという関係づくりはそうそうないはず。同社のこの取り組み、姿勢は注目に値します。これからどんな面白いことを発信してくれるのか注目していきたいと思います。