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漫画化家道コラム
第10話:まとめることの威力

・点と点を結んで線に、やがて面に

突然ですが、なぜ写真のアルバムは重宝がられるのでしょうか?そこには

「時系列」
「まとめ」

というキーワードが存在するように思います。東日本大震災で大切な我が子を亡くした老親が一生懸命探しまわっていたのは、想い出という名の「アルバム」でした。

アルバムには我が子が生まれてからの出来事がいっぱい散りばめられていたはずです。お宮参り、入学式、運動会、学芸会、卒業式、成人式、結婚、孫の誕生…こうした想い出を象徴するのが写真、アルバムなのです。

一つひとつの写真も想い出の一コマには違いありませんが、あくまでもそれは「点」に過ぎません。この“点”を「アルバム」という“面”にすることで価値あるものに変わっていきます。

10年前、5年前、3年前、1年前、そして今を比べることによって今まで気づかなかったことと出会うことができます。

「あの頃はこんな洋服着てたんだね」
「この頃は髪長かったんだ」
「この頃は痩せていたのにねぇ」

その当時は何とも感じなかった…ごく普通の他愛のないことだった…。そんなことが、まとめることですごい財産に変化するのです。

私も、先日このことを思い知らされる出来事がありました。私はよく日曜日に仲間十数人とウォーキングクラブで歩いています。距離にして12~3km。当初は経営者仲間だけでスタートしたのですが、最近では女性メンバーが増え、若返るとともににぎやかになりました。

この中のメンバーの一人が毎週写真を撮ってくれ、フェイスブックにアップしてくれています。しかし、ほぼメンバーが固定しつつあるので、いつも同じような場所で同じような服装、同じようなポーズで特に変化などないのです。それで私は

「変化もない、見飽きた!」

と彼に毒づきました。ところが、後日彼が12~3年分の写真をアップしてくれたことでその評価が大きく変わることになりました。もちろんウォーキング時の写真が中心なのですが、節目で仲間と旅行に行った時の写真や、宴会時の写真もあります。すると、あら不思議。この写真がとても価値あるもののように思えてきました。

メンバーはそんなには変わっていない…、しかし、実際は大きな変化があったのです。

「あ、こんな人もいたね。今頃どうしているんだろう?」
「この時、たしか酔っ払ってドブに落ちたよね?」
「この時、君は髪フサフサだったじゃん」
「ウォーキングしても10年前と変わらず太ったままの体形だね」

などと仲間で軽口をたたくとともに、想い出が一気によみがえってきたことでとても楽しい時間を過ごすことができました。このように、まとめること、写真を残すことには力があるのです。これは地味なことでも積み重ねることで大きな力になることを示唆しているようです。ところで、

1.01の法則

というのを聞いたことありませんか?毎日1%の努力を積み重ねていくと何と1年後には37倍になるという計算式。これは足し算ではなく、掛け算であることがミソです。毎日の積み重ね、平凡な繰り返しと「まとめる」ことには共通点があるんですね。

・時間の流れ、情報洪水を整理してくれるまとめサイト

まとめの大切さを語るうえで「まとめサイト」の重要性がますます高まっています。それは現代人があまりにも忙しすぎるからです。20年前、30年前と現代とでは私たちが受け取る情報量は20倍増えたとも言われます。

逆に情報を処理できる能力は10%も上がっていません。こうした中、いちいち多くの情報に関わっていたら私たちの頭はパンクしてしまいます。だから今「まとめサイト」なるものが重宝されるのです。

まとめサイトとは多少異なりますが、「ポータルサイト」つまり個別のホームページを検索するのに手間がかかるため、カテゴリー、ジャンル別に入り口を設けてくれたポータルサイトも同じ分野と言えるかもしれません。

いずれにしても、このような便利なものを活用することはスピード化した現代には必須かもしれません。今の時代、何もかも自分でやるのではなく、時間を買ってその分野の得意な人に仕事をしてもらうという感覚が必要でしょう。

それでは、ひるがえって企業の中でこの「まとめる」ことの重要性とは何でしょう。本メルマガの目的である企業のブランド化の観点から言えば、

「歴史」をまとめる=「社員の気持ち」をまとめる

ことにありそうです。

・まとめるとは歴史を資産に変換すること

企業の歴史を丹念にひも解いて残しておくことは「社員の気持ちを一にする」うえでとても有効です。どの企業にも創業時の想いをはじめ、商品開発、販路開拓、社員の離反、社屋の建設、倒産の危機、世代交代など様々なできごと、苦労談がどこにもあるはずです。これを活かさない手はありません。

そこでその時々にかかわった人々(OB)のエピソードや出来事を文章や写真で振り返ることで社員の帰属意識を高める!ことにもつなげられます。企業の歴史とは、

その時々に存在した人々の想いの結果

です。時の経営者が下した判断が今の自社を作っているわけです。「なぜ、そのような決断をしたのか?」これに思いを馳せるだけで会社への愛着心が湧くはずです。

そのときどきのリーダーたちの意思決定で自社はいま存在し、お客様から支持され、かつ自分自身も生計を立てられている…。こうした思いにつながっていけば会社への帰属意識も高まっていくでしょう。

御社では創業時の想いや出来事、そこに関わった人のエピソードなどを記録として残しておられるでしょうか?走り書きでもよいのでメモしておられるでしょうか?

毎日の業務に追われ、過去を振り向く余裕もないのが中小企業の現実かもしれませんが、歴史的事実を本人の頭の中だけで記憶しておくのは至難の業です。その意味ではブログやSNSなど便利なツールが多くあります。ぜひ、社内で分担して記録を取り続ける仕組みを作っていただきたいものです。

御社では今後どのように歴史を活かし未来の発展につなげていかれますか?

弊社では、「漫画ストーリー」という形で御社の歴史を魅力的に伝えるお手伝いをします。お気軽にご相談ください。

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