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漫画化家道コラム
第13話:秒殺スルーを克服する裏ワザ“つかみ”

今回のコラムは、情報を黙殺されないための要素「つかみ」について考えます。

これまでたびたびお伝えしてきた通り、急速な情報社会の発展により、人は他人の話や情報に耳を傾けない傾向がどんどん強まっています。平成の30年間で私たちが受け取る情報量は10倍あるいは20倍に増えたとも言われています。

情報量が増えれば増えるほど、人間は自分に関係ないと判断した瞬間、1秒でスルーしてしまいます。そうしなければ頭がパンクしてしまう、時間がいくらあっても足りなくなるからです。そこで重要な役割を果たすのが

「ネーミング」「タイトル」

です。たった1行の短い言葉ではありますが、これには社員や顧客の心をつなぎとめる強力なパワーがあるのです。

1.相手のメリットに焦点を当てる

ネーミング、タイトルをどうするか?を考える前に、そもそも人間は人の話なんか聞いていない、興味がない…をしっかり認識しておく必要があります。人間は誰しも他人ではなく、自分自身に最も興味があります。それは自分にとってメリットがあるのか、を常に意識しています。

逆説的に言えば、それをもっとも真剣に考えビジネスを編み出した人が成功していると言えるでしょう。会社であれ、プライベートであれ、話し手は聞き手のメリットに照準を合わせなければなりません。

例えば会社の朝礼、社長がグダグダお小言を言うケースがまだまだ見受けられます。こんな時、社員はまともに聞いていません。

「またお説教かよ。もう聞き飽きちゃったな…」
「今日の昼ごはん、どこ行こうかな…」
「昨日は彼女とケンカしちゃった。どう謝ろうかな…」

こうしたことで頭の中は満たされています。まず耳に入ってはいないと考えるべきでしょう。そこには社員にとってのメリットが盛り込まれていないからです。いや、盛り込まれていたとしても社員の側に「話を真剣に聞く体制が整っていない」ことの方が問題です。

話を真剣に聞いてもらうための前提条件、それは

話を聞いてもらうキッカケを作る

です。では、どうやれば人の注意を振り向けることが可能になるのでしょうか?それは

 

つかみ

にあります。

 

2.つかみで失敗すると挽回するには数倍の労力

お笑いの世界では必ず冒頭の「つかみ」を意識しています。必須のスキルです。ここでスベルとなかなか立て直すのはきついと言います。なぜでしょうか?

お客に「期待感」を持ってもらえないから…

です。つまり、先の先まで聞いてもらう姿勢ができていかないのです。まだ、お笑いの世界はいいでしょう。彼らはしゃべりのプロなのですから立て直すことはできるかもしれません。

しかし、我々アマチュアはそうはいきません。話の最初で惹き付けておかないことにはシャッターを閉じられてしまい、ハイそれで終わり!です。それほど「つかみ」は大事なのです。

話は変わりますが、経営者・経営幹部の皆さんは講演会やセミナーに出席される際、その会に行ってみようかな?と思われたキッカケは何だったでしょうか?それはほぼ次の言葉に集約されます。

「タイトルで面白そうと感じたから」

もちろん「タイトルだけ良くて中身はスカスカだった。」は論外ですが、まずここで周りの関心を惹き付けないことには始まりません。タイトルで「おやっ」と思わせるのです。このタイトルがいわゆる「つかみ」に該当します。

マーケティング用語に「AIDMA」というのがありますね。人がサービスや商品を利用する際の心の動き(決定プロセス)を示している用語ですが、

Attention その製品の存在を知る
Interest  興味を持つ
Desire 欲しい気持ちが募る
Memory 記憶にとどめる
Action最終的に購買行動に至る

です。存在を知らせ、興味を持たせるところ部分で威力を発揮するのがこの「つかみ」になります。では、具体的にはどのような方法つかみを作っていけばいいのでしょうか?

 

3.人は逆のことを言われると気になる

つかみの話法、表現は多種多様ありますが、もっとも効果的なものを挙げます。

  • 逆説、非常識
  • 挑発、脅迫
  • ドラマ仕立て

の3つです。逆説、非常識とは、

「私たちが普段考えていることの逆を言う。」

です。例えば、

・人には親切にしなさいよ → わがままな生き方でいいよ
・将来の成長のために勉強しなさい → 勉強なんか役に立たない
・カメのようにコツコツ努力が必要だ → ウサギのようにラクして頂上に行きなさい

などです。こう聞かされた時、人は必ず

 

「ん?」

 

となります。今まで聞いたことのないフレーズだからです。人間は何かしら「違和感」を感じたときに立ち止まる傾向があります。この違和感をあえて作るのが逆説的表現なのです。しかし、ここで大事なことは

 

逆説的な表現を言いっ放しにしない

ことです。一見わがままに生きているようで、実は根底には人の痛みに寄り添っている事例、エピソードをしっかり織り交ぜながら「人に親切にすることは尊い」という結論につなげていかなければ説得には至りません。

逆説→注目→エピソードの披露→正論・結論→納得

という流れですね。本当に言いたいことがあっても、それをそのままストレートに伝えてはいけません。あまりに当たり前な表現では人は振り向かないのです。

4.人間は痛みに反応する生き物

次に「脅迫・挑発」による手法です。

・そんな食事をしていると10年早くあなたはおばあちゃんになりますよ。それでもいいんですか?
・今から投資の勉強をしていないと、20年後あなたの年金はゼロになりますよ
・この知識を手にしないと、あなたの会社はきっと乗り遅れる etc.

こう言われたら思わずドキッとしますね。人はどちらかというと

得られるメリットよりも避けられるデメリットの方に関心が高い

という特性があります。

・損したくない
・痛い目に遭いたくない
・人より乗り遅れたくない

こうした表現が、「こんな良いことがありますよ!」というプラスなことの提示より強い印象を残すのです。

最後に、ドラマ仕立ての表現。これはあなた自身の体験談がもっとも役に立つでしょう。

・実は先日、大変悲しいできごとがありまして…
・60年間の人生がひっくり返るような感動的な出会いがありまして…
・私の祖先を調べたらビックリするような人物がいまして…

こうした生の体験を時系列で話すことで、人は興味をかき立てられます。人はそれほど物語に興味があるのです。その人の生きざま、歴史そのものがドラマです。こうしたことを織り交ぜながら組み立ててみてください。(物語のテーマはまた後日書こうと思います。)

以上「つかみ」の大切さをお伝えしてきました。変化の激しい時代、ますます情報洪水に晒される時代。あなたはこれから、朝礼や会議で社員やスタッフの聞く姿勢を高めるためにどんな工夫をしていかれますか?つかみを磨いていかれますか?

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