隔週3回にわたってマスメディアとの良好な関係づくり「パブリシティ」について解説するシリーズの第2回目です。事業されている方ならほとんどの方が
「マスコミに取り上げられたい」
という思いを持っていらっしゃることでしょう。そのポイントをお伝えする本シリーズ。皆様の事業にお役立てください。
メディアでの報道には連鎖するという特徴があります。最近ではネットの発達、SNSの隆盛などもありマスメディアの威力が落ちた、などと言われることもありますが、そんなことはありません。この二つはしっかりつながっているのです。
例えば、ネットで盛り上がっている話題にテレビが飛びつき、それがさらに増幅してネットでまた盛り上がる。あるいはその逆というケースが数多くあります。なぜなら若者たちに圧倒的に支持される芸能人、タレントたちはまだまだテレビ等のマスメディアを通じて活躍する機会が多いからです。
さらに、新聞で取り上げられた話題がテレビやラジオ、あるいは雑誌などのメディアに波及して取材が立て続けに起こることがあります。そうした観点からもメディアの特性を良く把握してアプローチすることを心掛けてください。
なお、ひと口にマスメディアと言ってもひとくくりではありません。電波媒体と活字媒体に大別されます。テレビ・ラジオが電波媒体。新聞・雑誌が活字媒体。なお、この二つには大きな違いがあります。(なお、ここではWeb媒体については触れません。)
電波媒体…ひんぱんに画面・放送内容が変わっていくため、よりインパクトのあるものでないと印象に残らない。特にテレビの場合、
を問われます。見た目の美しさ、奇抜さなど視聴者が思わずくぎ付けになるようなインパクトを要求されます。人の動きが感じられない場面はテレビ向きではありません。
活字媒体…新聞は派手さというよりは堅実さが好まれます。じっくり読んでくれる、保存性が高いことが特徴です。テレビのような派手さはないけれど社会的意義などをしっかり伝えるには新聞が強力です。
雑誌についてはタイムリー性の面において新聞に劣りますが、幅広い話題、世の中のトレンドに根差したもの、あるいは雑誌の読者に合わせたコアな話題については有効です。
なお、経営者層にとっては電波媒体よりも新聞が情報手段としては重視される傾向があります。
さて、メディアへのアプローチに関して記者の人たちはすべて自分の足で情報を集めているのでしょうか?そうではありません。人材やコストにも限りがあるため、彼らは一日に何十件とは言わず数百件の情報が寄せられる情報の中から選別を行っているのです。そこで、重要になってくるのが
です。端的に伝えたい内容を書きファックスやメールで相手に送付するものです。電話などを使った情報伝達もありますが、記者は忙しいためなるだけ手をわずらわせない方法で情報を届けたいものです。
では、選別してもらうために重要なことは何か?
です。このタイトルを見ただけで興味をそそらなければゴミ箱行きという悲しい現実が待っています。記者はとにかく忙しい。そこで、端的に言いたいことが述べられ、特徴も記載されている簡潔なリリースに目を留め、そして中をじっくり読み取材対象かどうかを判断します。みなさんもこれからメディア報道を目指すなら
にまずは全精力をつぎ込んでください。リリース文の書き方は下記を参考にしてください。
・できればA4・1枚で収める
・タイトルは15文字以内で
・タイトルの下にリード文(見出し文章)
これはいつ、どこで、誰が、何を、なぜどうしたという内容を3~5行程度で端的に内容を書きます。このリード文は全文を読まなくても大体のことがわかるという視点でとても大事な要素になります。
・本文
詳しい文章です。開発に至った背景、社会情勢、社会に役立つその根拠などを書きます。
・連絡先、担当者名など
忙しい記者の方々は、タイトルと概要が紹介されているリード文をパッと見て面白い!と感じた情報のみに目を通すのです。その眼鏡にかなわなければどんなに優れた商品やサービスも記者の目に触れることはありません。
さて、リリース文章が大事なことはわかりました。しかし、最後はその中身です。そもそも提供された情報に魅力がなければどんなにうまい文章でも結局はニュースになりません。ここで大事なことは、それは
ということです。私もこれまでパブリシティの相談を数多く受けてきました。その中で共通していることが、かなり皆さんご自分の商品やサービスに自信があるためか、そのプレスリリースが宣伝文、つまり自分の商品の良さや特徴が強調されたものになっているのです。
ハッキリ言ってこれには記者は興味を示しません。
宣伝したいなら広告を出稿してよ!
ということです。(広告はある程度自分の思う通りに表現することができますから…)
メディアが欲しがるのは
というただその一点です。ある意味作り手の熱い想いはどうでもいいのです。
読者、視聴者にとって有意義なものを情報提供するポイントは次の3つになります。
一つずつ解説します。
今、メディア界で多くの話題をさらっているできごと、例えば新型コロナや映画興行収入で新記録を打ち立てた「鬼滅の刃」、それにアメリカ大統領選挙などです。
以前、オバマ大統領が誕生したとき県内でゆかりのお店や場所が数多く紹介されたことがありました。こうした今どきに関連したニュースや話題は取り上げられやすいのです。
今どきと被る要素はありますが、こちらはやや長期的な「世の中の流れ」と言った方がいいでしょう。例えば、少子高齢化、地域の絆、地球温暖化、正規雇用と非正規の格差、年金問題などです。こうした要素と関連した話題はニュースになりやすいのです。
これは時期や話題性を問わずいつの世もニュースになりやすいパターン。その代表的なものとして次の5つがあります。
1)刺激的
○○で初めて、○○で一番大きい、○○で一番小さいなどといった要素です。
特に日本で初めて、鹿児島で初めてというものはニュース性が高いです。しかし、これはなかなかハードルが高いです。その初めてであることをキチンと立証したうえでないと宣言できないのです。ただ、初めてではなくても、エリアをより細かく割ることで解消できます。○○地域で初めてという分解ですね。あるいは○○地域限定で発売、という要素もこれに近いものがあります。
2)ユニーク
面白い、珍しいといった要素。世間であまり知られていない祭りや、笑いの要素を取り入れた商品、サービスは取り上げられやすいです。
3)読者や視聴者にメリット
家事にかかる時間が半分になる、防犯に威力を発揮するなど住民に役立つ素材を指します。
4)ストーリー性
企業には社歴が長ければ長いほど埋もれた商品やサービスの誕生秘話、創業者の苦労物語があるものです。自分たちでは気づかないことも世間から見るととても魅力的な要素があるものです。
5)季節性
正月、お盆、クリスマスや夏休み、運動会など季節の節目、節目では何らかのトピックがあるものです。こうしたものに結び付けて話題を作ることも必要です。
さて、メディア報道を獲得するためにあれこれ書いてきましたが、こうしたメディアに取り上げられやすい要素はどんなに規模の小さい企業でも必ずあります。要はそれを発見できていないだけのことです。
皆さんはかねてから自社の周りをじっくり見つめ直しておられますか?
マンプロもそのためのお手伝いをします。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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