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第28話:社会のトレンドと自社を絡める

隔週3回にわたってマスメディアとの良好な関係づくり「パブリシティ」について解説してきたシリーズの最終回です。事業されている方ならほとんどの方が

「マスコミに取り上げられたい」

という思いを持っていらっしゃることでしょう。そのポイントをお伝えする本シリーズ。今回、皆さんにお伝えしたいことは

社会性、社会の流れに注目する

です。これまで何度もお伝えしている通り、メディアはあなたの商品やサービスに興味があるのではありません。

あなたの商品やサービスが消費者、一般市民にとってどういうメリットがあるか?

ここに興味があるのです。しかし、情報を発信する側は商品やサービスに対して自信があり思い入れが強いためどうしても売り込みになりがちなのです。要は

あなたの商品やサービスを社会の流れ(トレンド)に絡ませる

ことが重要なのです。

今、社会が困っていることに照準を合わせる

「社会の流れに沿う」とは毎日の新聞やテレビで話題になっていることと紐解けばキーワードはいくつも出てくるはずです。

少子高齢化、環境汚染、AI、デジタル化、資源枯渇、ジェンダーフリー、コミュニティの希薄化 etc.

いくらでもありますね。また、この社会の流れとともにあなたの企業が存在する地域独特の課題というのもあります。これは実に多種多様にわたります。これも考慮しながらPR活動を展開していきましょう。

ひとつ事例を挙げます。

SAVEライオンズ企画

というのをご存知でしょうか?プロ野球チームの「西武ライオンズ」が始めた「消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト」です。

英国の大学の調査によると、世界の野生ライオンの生息数は、直近の20年で約半分、100年前と比較すると、実に約2割にまで激減していると予測されています。

そこで、長年ライオンの保全活動を続けている英国の動物研究機関と連携し、球団のシンボルであるライオンを救うため、シーズン中の球団のホームラン数と連動して、同団体に活動資金を寄付するという企画です。

これこそが社会的意義です。社会が困っていること、社会の課題をキチンと捉え自らの球団と絡めています。本プロジェクトでは、

・当日の監督や選手がオリジナルキャップを1日限定で着用
・本プロジェクトの募金箱設置
・サイン入りオリジナルキャップのチャリティーオークション

などのイベントを行っています。いかがでしょうか?これ自体は売り込みとは直結していませんね。さりげなく連動しています。しっかりと社会貢献を果たしながら、球団のイメージをアップさせ球場に足を運んでもらう。これこそがパブリシティの真骨頂です。

 

自社の強みを生かす

今、社会にとって最大の関心事は何といっても「新型コロナ」ですね。この話題に何らかの形で関わった情報を発信すればニュースになる確率は格段に高まるでしょう。

切り口としては、「感染症対策」や「巣ごもり需要」、テレワークなどによる「働き方改革」、「地方への移住」などがあります。

これを自社の活動に絡めるのです。例えば、いま店頭レジなどでよく見かけるのが間仕切り用ビニールカーテン。何だかお客との間で壁を作っているようで、しかも声が聞こえにくいことからあまりイメージが良くありません。そこで無味乾燥なこのカーテンをアートなものに変えるのです。

できれば絵心を持ったスタッフに描いてもらうのが一番いいのですが、もしそれがなければ近くの中学校や高校の美術部にお願いして描いてもらうのがいいかもしれません。

未来を担う若者の力を借りる

という切り口もメディアが注目する視点です。しかも、絵だけではなく、スタッフの元気なメッセージ付きにすることで企業の一体感を伝えることができます。

こうした「ほっこり」した話題はニュースになりやすいです。しかも、コストはそんなにかかりません。シートのコストも知れています。ましてや学生たちと協働することで社員自体のモチベーションも上がります。

 

ニュースになることが目的ではない

社会の流れに商品やサービスをリンクさせることの大切さをご理解いただけたと思いますが、ニュースに取り上げられることそのものが目的になっているケースが見受けられます。これでは本末転倒になってしまいます。たしかにメディアの威力は大きいものです。しかし、それが自社の経営理念・方針と乖離したものであればいずれメッキが剥げてしまいます。目的は、

自社の活動そのものが社会から認められ未来永劫に存続させること

です。ここをゴールに自社の持っている技術や人材、設備などの強みを生かす視点で考えなければいけません。あくまでも自社が世の中に伝えたいこと、世の中に役立つ商品やサービスで社会に貢献する姿勢が中心です。

そう考え社内を注意深く観察してみると普段は気づかないようなことで御社ならではの特徴や面白いことが見つかるはずです。皆さんはかねてから自社の周りをじっくり見つめ直しておられますか?

マンプロもそのためのお手伝いをします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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