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第29話:魅力的なプレゼンは聞き手との協働作業

市場調査会社によるアンケートで「自分自身は人にものごとを伝えることに自信がある」と答えたのは16%で、とても苦手・少し苦手が84%と否定的に捉えている人が圧倒的多数になりました。実は、本人が考えているほど伝わっていないこともないのですが、本人は否定的に捉える傾向が強いようです。

かく言う私も子どもの頃から話すのが得意だったか?と問われれば疑問符が付きます。今は、多少人にものごとを伝える仕事をしているだけに、他人からはそれなりの評価をいただきます。

では、伝えることが得意な人とそうではない(と本人が考えている)人の間にはどのような差があるのでしょう。

今回のコラムは多くの人の頭を悩ませる「伝える」

について基本編とテクニック編に分けて書きます。今回は、基本編の第1回目です。気軽にお読みください。

自画自賛のプレゼンテーション

人にものごとを伝える、マンツーマンに近い形なら何度も話したり、質問したりしているうちにその真意がわかって理解し合えます。ところが、これが1対多数、つまりプレゼンテーションの場面となると様相がガラリと変わります。

限られた時間で必要なことをしっかり伝え、理解し賛同してもらうレベルまで持っていかなければなりません。この場面はマンツーマンの時と比べても緊張の度合いがまったく異なります。手に汗握り、心臓の鼓動は高鳴り、聞き手の視線が胸に刺さり、もう逃げ出してしまいたくなるような心境になります。

しかし、聞き手はさほどあなたのことなど気にもしていないので、それは自意識過剰といえるのですが、本人にしてみれば一大事です。

経営者の皆さんでも話すことは苦手とおっしゃる方が少なくありません。社員に重要なことを伝える場面で、しっかり伝えたいと考えているのにちっとも伝わってない。

「どうして俺はこんなに下手なんだ」

と悔やまれる方もおられることでしょう。そうした心理的プレッシャーは場数を踏むことでずいぶんと解消されてくるのですが、実はなかなかそれが克服できない。それを解消するにはコツがあります。

私も数多くのプレゼンテーション(体験発表、商品説明、企画提案etc.)する機会、聞く機会に接してきましたが、私が気付いた中でもっとも重要なこと、

自分視点のプレゼンが圧倒的に多い

ということです。つまり、自分の言いたいことが先走っているのです。自分自身のセールスポイント、特徴、利点をわかって欲しいがために相手の気持ちを忘れてしまうのです。プレゼンは相手の視点で語ることが何よりも重要なのです。

まずは、「基本編」からお伝えしますが、視点は次の6つです。

1)なるだけ絵で話す
2)相手のメリットに合わせる
3)相手にとって嫌なことを解決できる
4)選択肢を複数用意する
5)自尊心に訴える
6)ターゲット、コンセプトを明確に

なお、このプレゼンテーションを成功に導くための前提があります。それは、

「オリエンテーション」

です。事前のヒアリングと言っていいでしょう。相手が今何に困っているのか、どんな課題があるのか、業界全体はどのような動きなのかをキッチリ相手方にインタビューし、背景を理解したうえでプレゼンテーションに臨むということです。この前提に立ってはじめて有効なプレゼンにつながります。

絵で話すと理解力が早まる

人にしっかりこちらの意図を伝えるに際して最初に取り組みたいのが「絵を描くように話す」

です。

「う~ん、私は絵が苦手だったからなぁ」

大丈夫です。絵を実際描くのではなく、聞き手の頭の中にイメージを浮かべてもらうということです。抽象的な言葉では聞き手は頭の中に絵が浮かびません。例えば、受験を控えた学生に

「努力こそが物事を実現する秘訣だ、誰にも負けない努力をしよう!」

これではピンときません。抽象的だからです。

「眠たくなったら、キンキンに冷えた保冷剤を頭に巻き付けてごらん。そうしたら目が覚めて人より1時間長く勉強できるよ。そんな工夫をしたやつが最後は勝つんだ」

となれば、情景が頭に浮かびます。これまでに何度もお伝えしていますが、

「絵」は「文字」情報より7倍のスピードで相手に伝わる

のです。なるだけ、具体的に、具体的に話す工夫を心掛けてください。

相手のメリットに合わせる

プレゼンテーションは、こちらの商品やサービスを買ってもらう、採用してもらう、あるいは社内なら納得してもらって行動を起こしてもらうことが目的です。相手が欲しいのは、

自分が困っていることに対してあなたの商品やサービスがどう解決に結びつくか?

ただその一点です。しかし、そのことを忘れて自らの特徴を先に話してしまう。ことに技術力の高い会社、製造系の企業などにそうした傾向が多く見られます。自分の商品やサービスに自信があるからです。その気持ちがあまりにも前面に出過ぎるのです。

自分自身がお客の立場になって考えてみればすぐわかることなのですが、当事者になるとその間違いを冒してしまうのです。皆さんも相手から売り込まれて辟易した経験があると思います。

相手のメリットに合わせる

たいせつです。しかし、これ、簡単そうで実は難しい。というのは相手がどこにメリットを感じるのかを事前に察知しておかなければならないからです。だからこそ、プレゼンテーションは「オリエンテーション」がモノを言うのです。

例えば、あなたがある人に募金のボランティアをやって欲しいと仮定します。

「募金のボランティアを一緒にやってみない?」

これに対して相手はどう反応するでしょう。

「え?そんな恥ずかしいことイヤだ」

と言われるのがオチです。でも、相手が引っ込み思案を解消したいと願っていることが事前にわかっていたら

「人前で話をする度胸が身につく募金活動、一緒にやらない?」

と言われたらどうでしょう。随分とソフトになり、自分自身のメリットが見えるのではないでしょうか?このように言葉の一部分を少し変えただけで大きく変わるのです。

相手のメリットに合わせることで人を動かすことができる。皆さんも早速実行してみてください。さて、プレゼンテーション基本編の第1回目はここまでです。次回は

●相手にとって嫌なことを解決できる
●選択肢を複数用意する
●自尊心に訴える
●ターゲット、コンセプトを明確に

についてお話しします。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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