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漫画化家道コラム
第31話:上手な伝え手は時に非常識となる

こちらの意図したことをキチンと伝えるには料理や研究などと同じで、底辺に共通のスキル、レシピが存在すると基本編でお伝えしました。今回のコラムでは「テクニック編」と称していくつかのポイントをシリーズでお伝えしてまいります。

第1回目は最も強力なテクニック、“非常識な表現法”について書きました。どうぞ気軽にお読みください。

当たり前のことに反応しないのが人間

犬が人間に噛みついた

これはよほどのこと(死亡事故など)がない限りニュースになりません。これは聞き手があまりにも当たり前のことだからです。では、こちらはどうでしょうか?

人間が犬に噛みついて怪我をさせ、飼い主から訴えられた

これは間違いなくニュースになるでしょう。それは普段あり得ないことだからです。人間は、「これはこういうものだ」という前提を持っています。ですからありきたりな表現ではほとんど反応しません。つまり、

非常識なこと、あり得ないことに反応する

ということです。しかも、その差が大きければ大きいほど効果的です。人間、当たり前の逆を言われると気になって仕方がないのです。広告のキャッチコピー、メディアへのプレスリリース、講演のテーマなどで使います。要は

タイトル、見出しで決まる

ということです。忙しい現代人はパッ!と一目見た段階で判断します。せっかちなのです。タイトル、見出しはそれほど大きなポイントを占めています。では、具体的にどのような表現が過去あったのか、皆さんの参考にしていただけるよういくつかご紹介します。

非常識はしっかりした裏付けとセットで

家はまだ買うな!と住宅会社の折り込み広告を見たときにどう思われますか?「お宅、住宅会社でしょ。家を売っているのに家を買うなとはどういうこと?」とお客さんは不思議に思います。この種明かしは

「住宅メーカーには多種多様な専門性がある。よく話を聞き、比較検討したうえで自分のライフスタイルに合った家を選ばないと損しますよ」という建築屋さんの思いが込められていたのです。

住宅を買った人の中には

「営業マンに夜討ち朝駆けされて根負けした」

「広告のイメージが良かったのでつい勢いで契約してしまった」

「友人から紹介されたので断わり切れなかった」

という失敗の声を聴きます。この住宅会社さんは、そうした泣き寝入りをしないためにあちこち見て回ってくださいとあえて促しているのです。いずれ自分のところに帰ってくるという自信があるのでしょう。

もちろん、こちらのことを思い出してもらうために、他社以上の濃い情報発信したうえで、という条件付きです。

この他にも「勉強を教えない学習塾」というのがありました。ここは勉強を教える前に勉強そもそものやり方や将来どう言う道を目指すのか、という生きる力を先に教えるという意味でした。

「不器用なスタッフ揃いの美容室」なんていうのもあったですね。怖いですね~、でも口下手だけど真摯な接客がウリなのでしょう。あと「眼鏡を売らない眼鏡屋」なんていうのもありました。その他にもあります。

・やる気のない人は応募しないでください。→
求人広告。骨のある奴が応募してきそうです

・この商品には欠陥があります →
本当のウリが他にあるのを際立たせるためにあえて逆張りの表現です

・勝つ気があるなら弱い者いじめをしろ! →
経営コンサルタントが、弱者である企業がトップを狙うには自分より下位の企業からシェアを奪うのが賢いやり方だと表現していました

このように、一見非常識、人が眉をひそめそうな表現が広告の世界にはあふれています。しかし、大事なことは

キチンとした根拠とセットになっていなければただの誇大広告

となってしまう危険性があります。

強い言葉は弱い言葉のスライドから

さて、キャッチコピーでいきなり人の気を惹くような言葉を考える、といってもかねてからそうしたことに慣れ親しんでいない人にとっては、それは苦痛以外の何物でもないでしょう。そこでひとつ手軽にこなせる方法をご紹介します。

かねて使う言葉をずらしてみる、強い言葉にスライドする

という方法です。例えば、

◆安い →
仕入れ担当が真っ青になった社長勅命の破格値

◆新しい →
あなたは今までこんな商品に出会ったことがありますか?

◆おいしい →
うちの頑固料理長が10年間追い求めてやっとたどり着いた味

◆当店こだわりの →
○○産の○○と●●産の●●をミックスした秘伝の味

という具合です。いきなりプロ級への転身は難しいでしょうが、少しずつでいいですから

この言葉は他に言い換えられないか?

を常に意識するのです。実は料理のお店にしろ、モノづくりの企業にしろさほど深く考えもせず「こだわり」という言葉を使いがちです。

でも、この「こだわり」という言葉単体では真実味がありません。何を指して「こだわり」と言っているのかということです。この言葉を使えば使うほどその他大勢に埋もれお客の心に響きません。こんな時こそ

弱い言葉を強い言葉にスライドする

です。しかし、このテクニックを使うには絶対的な条件があります。もう、おわかりですね。先ほども述べたありもしないことをさもあるかのように表現する誇大な表現です。これはご法度です。

しっかり裏付けがある。尋ねられたら即座に応えられる。それがあってはじめて本物となります。

「しかし、うちにはそれほど自慢できるようなこだわりはないし…」

とおっしゃるかもしれません。それは気づいていないだけです。皆さんが長年にわたって続けてこられた商売や事業、商品、サービスには必ず何らかのこだわりの要素が隠れているはずです。そうでなければこれまで続いて来なかったはずです。もう一度必死に見渡してみる、掘り下げてみることをおススメします。

さて、今回は伝える技術のテクニック編として「非常識な表現法」を中心にお伝えしてきました。次回もテクニック編についてお伝えします。どうぞお楽しみに。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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