今週のコラムは「伝わるプレゼンテクニック」の第5回目として
「チェンジング法」をお届けします。
「チェンジング法」とは私が独自に名付けたもので、簡単に言えば
による表現法です。「●●」を「○○」にすり替える。
「比喩(例え話)」「対比」「ダジャレ」の3つから構成しています。
以前も解説しましたが、人間は「落差」に反応する生き物です。
人間の頭の中は自分なりの「常識」というもので埋め尽くされています。
それと真逆の言葉を投げかけられたりすると頭の中に混乱が起きます。
この混乱をあえて起こすことで注目を集めることが可能になるのです。
伝わりやすい表現法としての「チェンジング法」。最後までお読みいただければ幸いです。
比喩、漢字だとなかなか難しいですが、ひとことで言うなら
「例えば●●●●」
で表現されます。いろんな場面で用いられていますね。
例え話を使うことでその表現が非常にわかりやすくなります。
たとえ話が使えるようになると、次のようなメリットを得ることができます。
① 話を最後まで聞いてもらいやすい
② 相手の頭の中に絵が描けるので記憶しやすい
③ 問題解決力がアップする
例えば、比喩を使わずストレートに表現すると下記のようになります。
今日帰宅したら玄関口でいきなりうちの妻が怖い顔をして私をにらみつけてきた。
眉間にしわを寄せ握りこぶしを作り、目は吊り上がりしかも充血までしている。
何が気に入らなかったのだろう。心当たりがないのだが…
これを、比喩を使って表現すると
今日帰宅したら妻が鬼のような形相で玄関に立っていた
これだけです。
もうすべての怖いシーンが「鬼」の一文字に凝縮されていますね。
いろんな場面でこの比喩は使われています。
・ノミのような心臓
・子供のようにあどけなく笑う
・水を得た魚のようにイキイキと生きる
・太陽のような明るい笑顔
・胃が焼けるように痛い
・顔がリンゴのように真っ赤だ
・ヘビににらまれたカエルのような気持ち
・蝶のように舞い、蜂のように刺す
・盆と正月が一緒に来たような忙しさ
・バケツをひっくり返したような大雨
・氷のように体が冷たい
いかがですか?
もう私たちの日々の暮らしの中でどっぷり表現されていますね。
つまり比喩とは
と結びつけるのがミソです。
この比喩には擬人化した例も多いです。
・マシンガントーク 古館伊知郎
・安打製造機 イチロー
・天使の歌声 マライアキャリー
・アジアの鉄人 室伏広治
こうした表現力をアップすることで伝わる度合いがグンとアップします。
皆さんも話し始める前に
「例えるとしたら何がいいかな?」
ということを習慣化してはいかがでしょう。
次の表現法は、「鏡話法」ともいうべき対比による表現法です。
といった一種の高低差を利用した表現法です。
このミラーリング話法もそうした観点から活用してみましょう。
●プライドは低いけど志は高い
●リーダーシップはないけどフレンドシップはある
●仕事は頑張っても頑張りすぎないでね
●うちの奥さん、普段は優しいけど怒ると怖い
●財産はないけど、人的信用はある
●株価は上がってるけど実体経済は落ち込んでいる
このように、上下、左右、縦横、大小、前後、硬軟
など対義語をうまく組み合わせてやってみてください。
次は、私お得意の(笑)
造語、ダジャレ、ギャグを活用した表現法です。
以前から何度もお伝えしているように商品開発において
ネーミングが成否を分けることがよくあります。
福岡県に「筑水キャニコム」という産業用運搬車・草刈り機メーカーがあります。
この会社はおもしろいネーミングをつくることで有名な会社で、
これまでに数々のヒット商品を生み出してきました。
「草刈機まさお(乗用草刈機)」
「ブッシュカッタージョージ(立ち乗り式大型草刈機)」
「三輪駆動静香(電動アシスト三輪車)
「伝導よしみ(運搬カー)」
などなど、芸能人の名前をもじったダジャレネーミングが多くあります。
日刊工業新聞のネーミング大賞を10年以上連続で受賞しており、
社員数は300名近くで年商は60億以上を誇る優良企業。
ここまで事業が発展した秘密にはネーミングがあると
名付け親である会長は自信たっぷりに語っておられます。
私自身、このダジャレを活用したネーミングをいくつか作りました。
・クロデミー賞(鹿児島の黒文化×アカデミー)
・漫画化家(漫画化×専門家)
・鹿児島耕作プロジェクト(鹿児島県×マンガの島耕作)
などですね。
このダジャレを使ったネーミングで有名になったのは
B級グルメ中興の祖と言われる「富士宮焼きそば」にも秀作が溢れています。
・焼きそばG麺(焼きそば×覆面調査員)
・天下分け麺の戦い
・三国同麺(麺を町興しに活用している自治体間の協定)
などなどですね。
あと、ダジャレとは異なりますが、単語の短縮化も一般化してきました。
特に芸能人の呼び方でこうした事例が増えています。
キムタク、ドリカム、ブラマヨ、キンコン、爆問、タカトシ etc.
その他にもリケジョ、スマホなども一般化しています。
加えて権威の有効活用法もあります。
ドクターランチ,○○博士推薦の○○○,宇宙ロケットでも使われている○○○などですね。
こうした手法を活用し、少しでも伝わる力を向上させたいものです。
さて、今回も効果的なプレゼンのテクニックをご紹介してきました。
いかがだったでしょうか?皆さんの企業でも一歩ずつ実践なさってみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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