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漫画化家道コラム
第37話:ストーリー思考で社会を動かす

(画像はNETFRIXの紹介ページから引用しております。

以前紹介した韓流ドラマ「愛の不時着」の2回目を見ています。この作品は2019年の暮れから2020年の初めにわたって放映されたテレビドラマですが、やっぱりこの作品は人の心を惹きつける要素を持っています。そこで、今回のコラムは「ドラマはなぜ面白いのか?」について物語・ストーリーづくりの観点から書きました。

再度、このドラマの概要を紹介すると「韓国の財閥令嬢が、パラグライダーで突然竜巻に巻き込まれ非武装地帯を越境して北朝鮮に不時着してしまい、北朝鮮の軍人に救助され、その後真実の愛に不時着するラブストーリー 」です。(Wikipedia)より

現在はネット配信のNETFRIXで配信されています。

ドラマには「型」がある

このドラマの魅力はもう見ていただくしかありませんが、物語の展開がまさに王道とも言うべきものです。この物語、何もテレビや映画の世界だけではありません。どんな企業にも、どんな人の人生にも必ずドラマ(ストーリー)は存在します。

いや、うちみたいな小さな会社に物語なんてないよ!

とおっしゃる方もありますが、大きい、小さいは多少あっても後に語り継がれるようなドラマが必ずあります。

「ない!」のは、

発見できていない、ドラマになるように演出をしていない

だけのことです。

ドラマには必ず型があります。この型を無視してはドラマと言えないし、人の心を打つことにはならないのです。物語の基本は、

目標に向かって進みだす→
順調に進む→
一つ目の障害が現れる→
小さな挫折を味わう→
障害をクリア→
しかし、もっと大きな障害が現れる→
仲間が見つかり協力を得ながら克服する→
やがて目標を達成しともに喜ぶ

ザックリ言ってこのような経過をたどります。よく言われる

起承転結

というやつですね。この順番を間違えるとつまらないドラマになってしまいます。

どうですか?皆さんの会社にも、人生にもこの流れと同じようなことがありませんでしたか?私も規模はまことに小さいものですが、これに当てはめてみると見事に存在するではありませんか。

ドラマは、この流れに登場人物、時代背景、舞台などさまざまな設定がなされ構成されていきます。

この「型」ともいうべきものを無視してドラマは成り立ちません。愛の不時着はこうした巧みな構成をものの見事に取り入れています。一つひとつひも解いていきましょう。

テーマ設定、時代背景

まずはテーマ設定。恋愛ドラマか、アクション系か、ホラーかという設定。そして誰に見て欲しいドラマか?ターゲットを明確にすることですね。そう考えるとまさにマーケティングの思考と全く同じことだということに気づきます。

このドラマの舞台は朝鮮半島。同じ民族でありながら国際社会の思惑で引き裂かれてしまった分断国家。体制も思想も全く異なる国同士ですから非武装地帯を越えて敵地にたどり着くことなどまずはありえない事件です。ましてやたどり着いた地点で恋に落ちるなど禁断の設定です。

そもそもこの特異な設定こそが多くの人の関心をひきつけてやまなかったのでしょう。

異なるキャラクター設定が必須

次が、登場人物の設定です。それは、それは濃いキャラクターが次から次に登場します。

主役自身が財閥の令嬢と北朝鮮の堅物軍人。そしてこれを取り巻く人物がお調子者、くせ者、気弱な善人、クールな美女、そして詐欺師などなど、とにかくキャラクターの濃い人物がドラマを盛り上げてくれます。もちろん、俳優陣の演技力が素晴らしいことは言うまでもないことですが、しかし、それもどういう役柄か?の事前の設定があってこそです。

キャラクターのちがいはドラマの妙味です。私たちの身近でもさまざまなタイプの人が存在しますね。出自、性格、容姿、能力などですね。ドラマは多種多様な人が存在するからこそ長時間にわたって惹き付けられるものです。

次は

起承転結

山あり谷ありのエピソードの連続です。主人公が目標を掲げ、それをいとも簡単にクリアしてしまったらそのドラマ、面白くも何ともありません。別にテレビや映画の世界だけではなく、皆さんの身の回りでもやることなすことすべてうまくいった人の話に興味が持てるでしょうか。面白くも何ともないですよね。(まあ、そんな人はいないと思いますが…)

うまくいったと思ったら足元をすくわれた。その後さらに努力して障害を克服していったらまた新たな敵が現れた、それでも仲間や友人の力を借りてやがて大きな成果をつかみ取った。こうした紆余曲折が何度も何度も続き、それを一つずつクリアしていくその過程、その行動に人々の心は打たれるのです。人が感動するのは、

その人物の思想ではなく行動そのもの

と言われます。そう考えるなら、皆さんのお仕事にも少なからず似たような経験があったはず。これを一つずつつなげていくことで必ず人々の心を打つストーリーに変化させられます。ぜひチャレンジしてみてください。

ストーリー思考を時代は求めている

時代は今、ストーリーで語らなければお客の心をつかむことそのものが難しくなっています。なぜなら、いま世の中はモノやサービスで満たされており、

技術や性能、価格などで差別化することが難しい

状況になっています。あと、残された道はデザインなどの心を豊かにしてくれる付加価値をつけることに尽きます。

そしてその企業の価値を「ストーリー」で語ることです。これでしか人の心を揺さぶることはできません。

さて、最後にこの「愛の不時着」を見ながらこんなドラマティックな設定が日本で可能だろうか?と考えてみました。

私はここまでの壮大な設定は日本ではなかなか難しいと感じます。同じ民族で自由に往来ができる、行きたいところにも自由に行ける。そんな環境の中にいる我われがそうした緊迫した状況の設定を作り出すことそのものが難しいなと思いました。まさに分断国家という特殊な状況にあるからこそ生まれた傑作だと思います。

では、日本で心揺さぶるドラマが生まれないのか?というと決してそういう訳ではありません。

視点をずらす、背景を変える

のです。そのことによって韓流ドラマとはちがう価値観を創出できると思います。

「鬼滅の刃」が大ヒットしたように、日本の映画人がこうした壁を乗り越えてくれる作品を生み出してくれると信じます。また、最近のヒット作品は漫画から生まれたものが多いです。そうした世界に身を置く私自身も一翼を担えるよう頑張っていきたいと思います。

さて、今回のコラムいかがだったでしょうか?最後までお読みいただきありがとうございました。

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