今日は「マンガから入門すると『●●●』はわかりやすい!」について考えます。私がマンガを基軸にしたビジネスを始めたときよく耳にしたのが、
「戦国時代の歴史や三国志をマンガで学びました」
「マンガで読んだことにより理解が早まりました」
という声でした。マンガを生業としている者としてとても勇気づけられたものです。しかし、逆説的なことを言いますが本当に漫画を読んで理解が早まったのでしょうか?
確かにその側面はあります。マンガの場合、ページ数に限りがあるため要旨を限りなくそぎ落とし、文字と絵で表現しているため「わかりやすい!」という印象を持たれる方が多いようです。「絵」には「文字」の7倍に相当する情報量があると言われだけになお納得です。
しかし、それでも全体の情報量から比較すると文字の方が情報量においては勝ります。マンガではセリフや置かれた現状を描写するためにどうしても情報をカットしている部分があるのです。ですから細かな部分で伝わらないところが出てきます。
では、マンガの真骨頂はどこにあるのでしょうか?
にあります。まず興味を持ってもらわない限り何にも始まりません。人間だれしも興味のないこと、関心のないことは避ける習性があります。これが広告の世界なら興味を持ってもらわないことにはお手上げ、死活問題です。だからこそマンガの登場です。マンガには
という特性があります。(世の中にまだそんなにマンガは溢れていません。)ですから、人の関心を惹きつけるようなキャッチコピーと絵が合わさることにより手に取ってもらいやすくなるのです。ここが圧倒的に他の出版物と異なるところです。だからこそ「入門編」として捉えられているのです。「三国志」にマンガで興味を抱き、やがて本格的な小説を読んだ・・・。そんな経験をした方も多いでしょう。
この細かな理論的背景、言葉の意味するところなどはマンガでカバーしきれません。そこで、
というセットにすることで両方のいいとこ取りが可能となります。
人の関心を惹き付けるには順番があります。言い古されたマーケティング用語に「AIDMA」があります。
Attention(認知)→Interest(関心)→Desire(興味)→Memory(記憶)→Action(行動)
人間が購買に至るにはこのステップを踏んでいきます。いきなり、物を買う(特に高額商品)行動はとらないものです。最近ではこれに加えてExperience(購入、経験)、Enthusiasm(心酔、熱中)、Share(情報共有)という要素の加わった「AIDEES」モデルも提唱されています。
いずれにしても、人の感情の動きに合わせて組み立てていくことが大事なのですね。このことは、日常のコミュニケーションの場においても同じことです。ぜひ、皆さんも心掛けてみてください。