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漫画化家道コラム
第39話:箇条書きで読み手を楽にさせる

今回のコラムは「箇条書き」についてです。マンガを生業としている私にとって「文章よりはマンガ」と言いたいところですが、この両者は根本的な構造、考え方、話の展開法に多くの共通点があります。箇条書きの利点は

◆要点を理解しやすい
◆スッキリ読みやすい
◆読み手を飽きさせない

といったものです。「文章を書くのは苦手」とおっしゃる方も多い世の中。しかし、コツを覚えてしまえばすぐに使えます。今週はこの問題について考えてみましょう。

情報過多の時代に人がとる行動は?

~人の頭の処理能力は変わっていない~

箇条書きの利点をあえてひとつに絞るなら

「受け手の負担を減らしてあげられる」

に尽きます。今の世の中、とにかく情報過多なのです。30~40年前といえばインターネットの創成期にあたりますが、この頃はまだ一般的にはなじみが薄い時代でした。

情報ツールと言えば新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアが主体。その後、テレビの多チャンネル化、衛星放送、ケーブルテレビなどのマルチメディア全盛期を経て、今ではホームページやブログ、メルマガはおろか、Facebook、Twitter、ライン、InstagramなどのSNSツールが花盛りです。

私も仕事柄、こうしたものに付き合っていますが、最近ではほとほと疲れるケースも増えてきました。便利な世の中になったからこその悩みです。

というのは、SNSでつながっていると、ある意味自分の仕事にとってほとんど関係のない、どうでもいい情報に接する機会が極端に増えているのです。これに目を通すとなるとそれだけでストレスを感じてしまいます。

私たちが生きる現代は、30年前、40年前と比べて受け取る情報量が10倍とも30倍、100倍とも言われます。(調査方法によって多少異なりますが…)SNSの隆盛をみればなるほど納得できますね。

一方、私たち人間の情報処理能力そのものはどれぐらい上がったのでしょうか?ある調査によれば10%しか上がってないというデータもありました。もちろん、情報ツールそのものは進化しているのですが、「脳」の構造そのものには昔とそう大差がないわけです。

このような情報過多社会にあって私たちはどのような行動をとるでしょう。

関係ない情報はシャットアウトする

です。それはそうです。毎日流れてくる情報に合わせておれば頭の中はパンクします。だから、一瞬で判断し、スルーしているのです。

だからこそ、私たちは相手、読み手の頭の中、脳を休ませてあげないといけないのです。そうした配慮を必要とされるのです。

受け手の負担を軽くしてあげる

~分けることからはじめる~

箇条書きのメリットは読み手の負担を軽くしてあげること。では、箇条書きのやり方を具体的に見ていきましょう。私が、メディア関係者から依頼された「おススメの一冊を紹介ください」に関するメールの文章をご紹介します。

《まずい事例》…読みにくいですが敢えて比較しての文章ですのでご了承ください。

●●●● 様

こんにちは。メールありがとうございました。今回このような機会を与えていただき感謝です。これまでのマンガ人生を元に私が勧めるマンガ3冊を挙げさせていただきます。
まず1冊目は、本宮ひろ志さんの「GOOD JOB」です。これは、働くことの素晴らしさに焦点を当てた職業紹介マンガです。運送業、消防士、ゴルフのキャディ、漫画家アシスタント、土木作業員などさほどスポットの当たらない職種も含めて15の職業が登場します。
私も自分の仕事に誇りを持てない時期が言うのが長くありました。こういう時ってしんどいですよね。●●さんはそんな経験ないですか?
それとこの本のおすすめポイントの一つ目、職業には貴賤の別はない!ということ。二つ目は今の仕事に誇りが持てないのは「今ここに全力投球していないから」ということ、三つ目は人の役に立つことが仕事のだいご味であるに気づかせてくれる点です。
この本を読むことにより、コロナ禍でうっ屈した日々の中で今まで普通に働けていたことに感謝する気持ちがきっと芽生えてくると思います。それがおススメする理由です。

では、これを箇条書きに直してみます。

《訂正例》

●●●● 様

こんにちは。メールありがとうございました。私が勧めるマンガを下記の通り3冊挙げさせていただきます。

(1)「GOOD JOB」 作者:本宮ひろ志
内容:働くことの素晴らしさに焦点を当てた職業紹介マンガ。運送業、消防士、ゴルフのキャディ、漫画家アシスタント、土木作業員などさほどスポットの当たらない職種も含めて15の職業を紹介

(2)「バクマン」作者:大場つぐみ、小畑健

(3)「ヘルプマン」作者:くさか里樹

◆おススメする理由(気づかせてくれたこと)
①職業に貴賤の別はない!
②今に全力投球すればやりがいが見えてくる!
③人の役に立ってこその仕事である!

◆このマンガを読んで欲しい人
①やりたいことがなかなか見つからない方
②自分の仕事に誇りが持てない方
③上司や家族としっくりいってない方

最後に私の感想です。私もこの本を読んでホント救われました。人間、誰だってうまくいかない時ってありますよね。でも周囲に感謝することで環境がガラリと変わってくる。「自分が変われば周囲が変わる」との金言は本物です。以上、よろしくお願いします。

さあ、いかがでしょうか?その違いに気づいていただけましたか?

ポイントは、
① 一行の文章を短めに区切る、各項目ごとに行を空けて読みやすくする
ダラダラと文章が続くと読み手は疲れます。ところどころで一息つかせてあげましょう。

② 見出し、小見出しを使い分ける
文章の途中で見出し、小見出しを設け、文章全体を読まなくてもだいたいの概要がつかめるようにする。

③ 文字に強弱をつける、【】や◆等の記号、アンダーラインを使う
メールの場合、文字に強弱をつけるのは難しい面もありますが、文の先頭に記号をつけるだけでもずいぶんと読みやすくなります。

この他にも、難しい漢字や外来語を使わないも心掛けたいですね。

3つにまとめる

それと、もうひとつ私の事例で気づかれたでしょうか?ポイントをすべて3つ挙げています。もちろん、4つでも5つでもいいのですが、私はよく3つに絞ることを心掛けています。理由は、

覚えやすい

からです。ちなみに、マンガの特徴も

① 目立つ
② おもしろい
③ わかりやすい

このように3つに絞っています。三つに絞るのはテンポが良いこと、忘れられないことがその理由です。昔から「3」という数字には縁がありますよね。

・三拍子そろった
・三位一体
・三本の矢
・御三家
・三つ子の魂100まで
etc.

とかく、数字というのはうまく使えば相手の頭に残りやすい特徴があります。数字は具体的になるからです。以上皆さんも工夫なさってみて下さい。

さて、今回は「箇条書き」について考えてきました。文章を書く機会も形は変われども伝える手段として減ることはありません。ぜひそうした観点から文章の構成を再点検なさってみてはいかがでしょうか?

今回のコラム、最後までお読みいただきありがとうございました。

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