前回のコラムではあなたの経歴書とも言うべき「プロフィール」について書きました。今回は、その前段とも言うべき「肩書き」「キャッチフレーズ」について考えます。
言うなれば「肩書き」「キャッチフレーズ」「プロフィール」の3つが重なり合わさってこそ自己紹介と言えるのですが、そこまでセットで表現されている方は実に少ないようです。この3つを掛け算してこそあなた自身の魅力が発揮されます。
ではまず「肩書き」から考えていきましょう。
ひと口に肩書きと言っても職業そのものを指すものから、組織の役割まで様々です。○○会社代表取締役、●●大学教授、○○県●●部長、○○銀行頭取といった肩書きからサムライ業(資格者)の弁護士、税理士、社会保険労務士、建築設計士あるいは資格者ではないものの経営コンサルタントなどもありますね。
また、最近では仕事が高度化、あるいは細分化される傾向からカタカナ職業もかなり増えてきました。アナリスト、キャリアカウンセラー、コーチ、ブロガー、ユーチューバー、AIコンサルタントなどですね。一見何の職業なのかわからなくなるほど新しい職種が生まれてきています。珍しいところではドローンパイロットなるものもありました。
ちなみに私の所属している広告業界でもCMプランナー、クリエイティブディレクター、アートディレクター、プロデューサー、デザイナー、コピーライター、イラストレーター、アカウントマネージャーなど様々な職種があります。
こうした職業を一言で説明するのにも苦労するほどです。なぜこのような複雑怪奇な職種が生まれてきたのでしょう。それはまさに社会構造の変化にあります。
ネット・AI技術の進化、人々の価値観の変化、少子高齢化、グローバル化などその時代に合わせて仕事の仕組みそのものを変えていかなければ生き残れない時代となってきました。仕組みを変えると言えば身近なところでは「銀行」が挙げられます。
これまで、預金金利と貸出金利の差額や業務手数料で収益を得ていたビジネスモデルがネットバンキングの普及、コンビニ併設型銀行、ネット銀行などによって窓口での業務そのものが縮小していく傾向にあります。
さらに、融資業務で成り立っていたものが、クラウドファンディングの浸透で構造そのものの変化が起き始めています。こうしたことから銀行も農業や製造業などとタイアップして新しい事業を展開し、その肩書きも変化しています。
こうした世の中の変化に合わせて、私自身もいくつもの表現を用いてきましたが、ようやく今回の肩書きで幾分落ち着きそうです。(但し、これも永遠ではありませんが…。)
現在の私の肩書きは
としています。
以前私は、広告販促プランナー、販促コンサルタント、広告・広報設計士などと名乗っていました。それはそれで意味があったし、何となくその業界人というイメージは伝わっていたと思います。
しかし、「絵ヂカラ活用コンサルタント」にしたのは、「広告マンガ」を主力に活動する以上、その特色をもっとも短時間でわかりやすく伝える必要性からこの肩書きに代えました。理由は
ことを端的に伝えたかったからです。これまで絵の持つ力については何度もお伝えしていますが、しかし、まだまだその威力に気づいていただいていない現状があります。その思いからこの肩書きにしました。
なお、欲を言うならばこの肩書きには2つの要素が加わっていた方がより尖った肩書きになります。それは
が組み合わさった肩書きです。例えば、「税理士」を例にとると
◆医療専門×税理士
◆機械製造業専門×税理士
◆パン屋専門×税理士 etc.
こうすることで、より伝わりやすくなります。しかし、これは本人の経営方針とも関連してくることですので、よりご自分の立ち位置を明確にしてからの話です。
次に、「キャッチフレーズ」です。ご自分の肩書きをもう少しかみ砕くわけです。そのキーワードは
「何をしてくれる人か」
という問いです。私の場合「絵ヂカラ活用コンサルタント」でおぼろげながら「こんな仕事をする人」というイメージはつかめますが、もう少し、お客にとってどんな利益を与えてくれるかまではわかりません。そこで私が作ったキャッチフレーズが
です。実はここでも先ほどの「職業×専門性」で述べた2つの要素を掛け合わせています。絵ヂカラ活用だけでもまだ少ない競争環境にあるとは思いますが、しかし、
そんな思いからこのキャッチフレーズにしました。この異なる要素というところがポイントです。例えば、「絵ヂカラ×漫画家が20名所属」の二つの要素では少し弱い。次元の異なる強みを見つけ出し組み合わせると強固になるはずです。
自慢めいて聞こえるかもしれませんが、事実、私はマンガ広告に取り組み始めて10数年のキャリアで、地域においては草分け的存在と自負しています。また、メディア活用についていえば、自分自身もしくはNPO団体が新聞やテレビ、ラジオの取材を受けた回数はすでに50回以上を数えます。
自分自身のこれまでの歩みを振り返って、再度自らの強みは何だろうと深堀した結果導き出した私のキャッチフレーズです。
では、なぜこうした肩書やキャッチフレーズを見直す必要があるのでしょうか?ズバリ
からです。
さて、今回はご自身あるいは企業の強みを打ち出した表現法について述べてきました。皆さんにも必ず唯一無二の強みがあるはずです。ぜひ取り組んでみてください。マンプロもあなたの後押しをいたします。