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第44話:人は“ギャップ”に反応する生き物

今回のコラム、「あえて非常識をつくることで気づいてもらえる」というテーマです。

広告業界に携わって40年。この間、素晴らしい商品力があるのに世の中に伝わっていない、という何とももったいないケースを数多く見てきました。

特に私が暮らす鹿児島県は「男尊女卑」、あるいは武家社会の名残りなのか、自らのことをアピールする姿勢が乏しかったように思います。特に、技術系の業種にその傾向が強いものがありました。いわゆる

 

「モノさえ良ければ必ず売れる」

「モノさえ良ければ客は必ずわかってくれる」

という論理です。そうした言葉に私はいつも

「では、その商品の良さをどうやってわかってもらうのですか?」
と質問していました。

「いや、とにかく一度使ってもらえば、食べてもらえばわかるんだよ」

「では、どうやって一度試してもらうのですか?」

こうした問答を繰り返したものです。最近ではようやくこうしたPRの重要性に気付いていただけているようでうれしいです。しかし、それでもまだまだ突き抜けた存在となるにはもうひと工夫が必要です。

この突き抜けた存在となるために有効な手法が

 

「ギャップをあえて作りだす」

 

ということです。このギャップについて先だってネットでとても面白い記事を発見しました。

なお、今回の写真、記事はマーケティング専門メディア「MarkeZine」さんのサイトからお借りしています。

https://markezine.jp/article/detail/31972

 

倫理感のある非常識

~常識の範囲内では人は反応しない生き物である~

まず、このギャップを作り出した主は「平安伸銅工業」という何とも古めかしいネーミングの会社。同社は各家庭で使われる「突っ張り棒」のトップメーカーですが、ここの3代目女性社長です。

トップメーカーというだけあって、その商品には並々ならぬ情熱が注がれ、かつ工夫がされていますが、出発点として古参企業の社長に若い女性が就いた時点でギャップが発揮されていると言えます。

しかし、それだけで話題になるかと言えばそんなことはありません。あえてギャップを作ることを意識しなければ目的には到達しません。

まずは下記の写真をごらんください。

左はとても清楚な感じの品の良い女性。右は昔流行ったヤンキーな女性

 

実はこれ、同一人物です。もちろんプロのスタイリストやカメラマンが関わっているからこそできる演出だと思いますが、この落差に思わず笑っちゃいます。普段はこの女性「突っ張り棒博士」として、自社サイトやメディアに登場しています。

 

次に、この「ツッパリ」を表現した多くのポスター。これがメディアに登場したことで話題に上り売り上げが2倍近くになったというのです。

「間に何か挟むと厄介なことになるんだよ!」

「どっちが上か教えてやろうか」

「ツッパリが足りねえから落ちたじゃねーかよ」

など刺激的なコピーが並び、私も思わず転げ笑いました。いや、ホント大げさじゃなく…

つまり、自社の商品を声高に宣伝しなくても、勝手に面白い会社として認知してくれ、結果として売り上げが2倍近くに伸びた店舗もあったようです。

このように

ギャップが大きければ大きいほど反応は大きく

なります。「ありえない!」が人を惹きつけるのです。人はもう「フツー」のこと「ありきたり」のことには反応してくれません。これだけ多くの情報に接している私たちはたいていのことには驚かないのです。

しかし、この非常識という感覚には条件があります。それは倫理感を伴っているということです。なんでもかんでも非常識をやればいいのかというとそんなことはありません。思わず人が眉をひそめてしまうような非常識では

人間の本能

に拒否されてしまいます。しっかりした商品力、企業理念、経営方針が必須なのです。

 

商品力、こだわりがあってこそ

~他社との違いを明確にしてこそ~

 

このギャップをあえて作る手法の根底には他社との明確な違いやこだわり、創業時から大事にしてきた価値観などがなければそれは

「張りぼて」

に過ぎません。

 

私はお取引の際、よく経営理念についてお尋ねすることが多いのですが、これが制定されていない、あるいは制定してあってもお飾りのケースもかなりあります。もちろんキチンとした言葉にはなっていなくとも社長の言葉一つひとつにそれがあふれているケースもあります。

 

「御社は何のために経営しておられるのですか?」

これに明確に答えられる、いや明確には答えられなくとも自分自身の根底にある気持ちをキチンと把握していることが大事です。経営理念には

◎お客様に対する方針

◎従業員に対する方針

◎商品づくりに対する方針

◎仕入れ先に対する方針

◎一般社会に対する方針

と言ったものも含まれます。こうしたしっかりしたベースがあって初めて「ギャップ」をあえて作りだしても違和感は生じないのです。

かねてから一般社会との関わりを重要視していない会社がいきなり「ギャップ」を作り出すと、消費者・お客は居心地の悪さを感じてしまうものです。その前振りが大事なのです。

今回のケースである「平安伸銅工業」の女性社長は、どこの企業よりも「突っ張り棒」へのこだわりが強く、商品開発にも余念がありません。また、「突っ張り棒博士」を名乗ってSNSなどで情報発信を重ねてきました。この情報発信は自社商品を売らんかなではなく、

 

「新しい使い方を通して便利な生活をお客に提供する」

というポリシーが貫かれているのです。この地道な活動がベースにあって初めて「ギャップ」が生きてきます。

 

なりきる覚悟

~下手でも回を重ねるごとにうまくなる~

 

さて、次は

「なり切る」

 

についてです。私はお笑い番組が好きでよく見るのですが、つくづくプロとアマの落差を感じさせられることがあります。素人はしょせん素人と思うのがどこか「遠慮」が感じられるところです。

思いっ切り自分の素が出ていない、恥ずかしさが見え隠れするところです。何を隠そう、私自身も恥ずかしさで、なかなか人前でうまく伝えられないことがままあります。

「まさか!いつもペラペラ、口から出まかせでしゃべっているじゃないか…」

と言われるのですが決してそんなことはありません。結構緊張もしています。しかし、本当に自分に自信のあること、これだけは絶対誰にも負けないことなら、さほど緊張せずこなせます。

要は、自分がその道のスペシャリスト、他者とどこか異なる部分をクローズアップさせれば素人臭さは抜けていきます。だってその一点においてはあなた自身がプロなのですから…

これは自ら宣言すればいつでも名乗ることができます。あえて作ってしまうことです。私は現在

絵ヂカラ活用コンサルタント(漫画化家)

と名乗っています。漫画化家は私の登録商標です。世に漫画研究者は数多存在しますが、企業漫画、ビジネス漫画の研究者となればかなり絞られてきます。私はこの肩書きを名乗ったことで、名実ともにそうありたいと願い努力しているつもりです。

この独自の肩書きを名乗るには

細分化

も欠かせませんね。

今日の例で挙げた「突っ張り棒博士」も大きなカテゴリーで言えば「収納」の分類に入るかもしれません。しかし、収納博士ではライバルがごまんといそうです。でも、「突っ張り棒」となると、グッと狭い分野での競争になります。これ自体が何となくいい意味の違和感につながり人の記憶に残るわけです。

自らが作った肩書きにいつしか近づく努力をする。

皆さんもぜひこのことを意識して取り組んでみてください。マンプロもあなたの後押しをいたします。

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漫画化家とは!?
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世の中にたくさんあるプロフェッショナル、芸術家、格闘家、美食家…そして私は『漫画化』のプロの『漫画化家』
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