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第45話:リーダーの情報発信力

「菅総理退陣」。このニュースが流れたとき、やっぱりか!との思いがよぎりました。各種世論調査で支持率が3割を切る状況でなかなか難しい状況だとは予想できました。そこで人事の刷新や解散の模索など起死回生の一手を狙ったのですが不発。ここが分岐点でしたね。

では、これまでの菅政権の通知表を冷静に見てみると日本のコロナの感染率、死者数を欧米各国と比較してみると相当低い(約十分の一)ことがわかります。それほど批判に値するほどのことかという印象も否めません。

その他にも1年間の間に取り組んだ実績もあるのですが、それが評価されない。それはただひとつに「総理の言葉が国民に届いていなかった」ことが大きいように思います。今回のコラムはそんなわけでリーダーの情報発信力について考えてみたいと思います。

 

伝わるか否かの分岐点は信頼関係

~人は信頼関係があってはじめて真剣に話を聞く~

私は今回のコロナ禍、誰がリーダーであってもなかなか難しいかじ取りを迫られたと思います。これまで経験したことのない出来事でそれこそ手探りだったと思います。
しかも、菅さんの場合は安倍さんの突然の辞任によって引き継いだことでもあったのですから・・・

また、菅さんはもともと口下手で多くをしゃべらない、パフォーマンスの嫌いな人で実直に仕事をこなし、結果で、背中で見せるタイプ。
これに引換え、緑の●●知事はメディア出身ということもあり、その立ち回り方については天才的な人でもあります。

事実、東京オリンピックの開催意思決定者は東京都(組織委員会、JOC)だったはずなのにそれがいつの間にか菅さんが決めたように受け取られ、
菅さんだけが矢面に立たされた感があります。それほど菅さんの情報発信力には問題があったように思います。

そもそも論ですが、この情報発信力が乏しいとの根底には

 

「信頼関係の欠如」

 

が関係しています。国民は、「このリーダーは信頼できるから話を聞いてみよう」となります。でもこの信頼関係が崩れてしまうと、どんなに政策立案力、実行力があろうともまともに話を聞いてくれないのです。(発足当初は評価が高かったのですが…)

その観点から見たとき、菅さんは実に淡々として、余計なことはしゃべらず、人にわかってもらおうという雰囲気が伝わってきませんでした。

先ごろ行われた世論調査で、次のリーダーに求めるものは何ですか?との問いに

国民への説明力…36.3%

リーダーシップ…28.4%

という結果でした。国民は菅さんの実行力というより説明不足に不満を持っていたのが見て取れます。

 

聞く姿勢をもってもらったうえでじっくり語る。これが伝える力の根本です。(ただメディアは全体を放送はしないので、短い言葉、心に響くキャッチフレーズを用意しておく必要が一方ではあります。)

 

人間見た目が半分以上

「メラビアンの法則」を皆さんご存知でしょうか?人間は言語・聴覚・視覚の3つの情報から相手を判断している、というものです。

情報が相手に与える影響は、

言語:7%

聴覚:38%

視覚:55%

 

だとか。この情報から「見栄えと声の質さえよければ言語はどうでもよい」ということではありません。話そのものに矛盾がなく、かつ3つのバランスが取れたうえでという意味です。

そうした時に、菅さんの話し方を見ていると「判で押したような回答」が多いように感じました。見た目も笑顔に乏しく、声も単調だったように思います。これは実にもったいないことです。せっかく良い政策を数々打ち出しているにもかかわらず伝わっていないのです。

ひとつ事例を挙げれば、滑舌が例え悪くても、秋田県出身のたたき上げを武器に熱を込めてしゃべれば視覚イメージが上がったはずです。

話は多少それますが、私は自分自身が流ちょうにしゃべる人と印象を持たれているようです。そんな私が言うのはおこがましいのですが、ペラペラしゃべる人はあまり好きではありません。

ただ、これにも条件があります。

自分中心でかつ根本的なことではない、むしろ枝葉のことについてペラペラしゃべる人が嫌い。

というものです。

 

安倍前総理、小泉元総理もスピーチは得意な方でした。人を惹き付ける話法に一日の長がありました。それに引き換え、菅さんはこうしたパフォーマンスが苦手。でも、それは活用の仕方次第で強みに転換できたと思います。丁寧なていねいな言葉を紡いでいけば伝わったはずです。

 

13文字で言い切る

~言いたいことを凝縮して断定する~

言葉というものは不思議なもので、自信たっぷりに断定されると、さもそれが本当のことに思えます。言葉の力とは偉大なのです。古今東西偉大な政治家は演説で人の心を突き動かすメッセージで国民を鼓舞してきました。その観点でみると小泉さんの

 

「郵政民営化なくして構造改革なし」

 

のキャッチフレーズは大きなインパクトを与えました。そもそも忙しい現代人は多くの情報を入れることに疲れています。また、人間の脳の構造上一度に多くのことを覚えられません。ですから、節目に必ずこうしたキャッチフレーズを入れていくのです。すると人はその部分だけが頭の中にこびりつきます。

では、言いたいことを短くまとめる際、文字数はどれぐらいが適当か?

 

13文字

 

です。Yahoo!ニュースの見出しが13文字であることをご存知ですか?

これは訳あってこの字数にしているのです。この数だと「読ませる!」という感覚より「見せる」に近いように思います。直感的に理解できる…。ここから導き出された字数なのです。皆さんも、何か言葉にする際、この13文字を意識してみて下さい。

 

ユーモアは単なる笑いではない

~人の心を温かくするのがユーモア~

 

あと、菅さんに欠けていたのはユーモア精神のような気がします。安倍さんや小泉さんはここが実にうまかったです。スピーチの随所に笑いを入れ、人の気持ちをグイと掴んだうえで話を進めていました。(記者会見はそうもいかないでしょうが…)

ユーモアを実は単なるお笑いと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、語源は人間の「体液」だとか。また人(human)から派生したとも言われています。いずれにしても人そのものを表わしているのであり、薄っぺらな笑いとは異なるのです。ユーモアの定義としていい得て妙なのが

 

つらい現実と向き合う能力

 

です。人間の力ではどうしようもできない、つらい現実を変えることはできなくても、ちょっとした発想の転換でぱっと周りが明るくなるような、そんな思考がユーモアの原点です。こうした点からみて、菅さんもこのように言えばよかった

「私は伝え方が下手と言われているが、雪国で育ったせいか口を大きく開けてしゃべるのは苦手でして…。(雪が口の中に入るんですよ)でもじっくり語り合うとエンジンがかかってくるのでそうでもないんですよ。ですからマスコミの皆さん、私が長時間しゃべっている部分を切り取らず報道してください」

とやれば、笑いが起こり「菅さん、なかなかやるじゃないか…」という評価が付いたかもしれません。

 

話が上手いかどうかは順番次第

~三段話法でスッキリ解消~

話し方について、訥々でもしっかり伝える工夫をしていけば問題ないとお話ししましたがまさにその通りです。話が伝わるかどうかはその内容もさることながら

 

順序

 

が大きく関係しています。伝える順序を間違えてしまうとどんなにいい話も伝わらなくなるのです。私が常に心掛けているのが三段話法です。伝える順序です。

 

結論(言いたいこと)

理由(なぜそう思うのか)

事例(裏付け、数値的な客観的事実)

 

ひとつ事例を挙げます。私が考えている構想「ガキ大将創出プロジェクト」です。

 

結論:世の中にもっとガキ大将を増やそう

理由:少子化、核家族化、行き過ぎた自由などにより子ども間のコミュニケーション力が落ちている。それが遠因となり陰湿ないじめが増えている。

昔はこうしたもめ事を片付けてくれるガキ大将がいない。腕力もあり、正義感とやさしさを持ち合わせたガキ大将をつくることでいじめを減らせるはず。

裏付け:学校でのいじめ件数のデータ、教師の子どもとの関わり時間の低下データなど

 

子どもを取り巻く様々な問題を最初に提示して、その解決方法をデータとともに述べる。この順番にすることで相手に伝わる度合いはどんと上がります。決してしゃべり方が上手くある必要はありません。要は順番なのです。

さて、今回は多少長くなりましたが、いかがだったでしょうか。セオリーを知れば話すことは決して難しいことではありません。ぜひ皆さんも活用なさってください。マンプロもお手伝いします。

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