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漫画化家道コラム
第53話:「ボケとツッコミ」で社内を活性化!

今回のテーマは、笑いでアイデア力を倍加させるです。私は父の影響が大きかったせいでしょうか、漫才、漫談、落語といったお笑いが大好き。すっかり年末の風物詩となった「M-1グランプリ」も大ファンの一人です。笑いという文化に私自身ずいぶん助けられてきたような気がします。

昔から「人が泣く場面はほぼ共通しているが、笑いはその人の経験や価値観に左右され誰もが等しく笑えない…」と言われます。さらに言えることは世の中の価値観や傾向が変わろうとも「ボケ」と「ツッコミ」の伝統的な話芸はいまだ強力です。

そこで、今回のコラムは世の中の潤滑油とも言うべきこの“笑い”を日常にどう生かすか?について考えます。

不寛容な時代

これまでマスメディア側から一方的に流れてくる情報の中にいた我われも、ホームページやブログ、メールにとどまらず、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSという自分メディアを持つことになり、受け手から発信者へと変化しました。

しかし、この便利さと裏腹にネット上にあふれる誹謗中傷や、スキャンダルをもてあそぶかのような情報が氾濫しています。特にSNSにおいて炎上し、ついには自分の命を絶つことにまで発展した悲しい事件が度々起こっています。

とかく、窮屈な世の中になってしまいました。スキンシップのつもりがセクハラ、パワハラ、モラハラという言葉でくくられ、言葉を発する方が気を使い言葉を選んでいる時代。現代人は人そのものに対して不寛容になってしまったかのようです。

このことは情報発信役を演じる「ボケ」役の出番が少なくなりかねません。一方、「ツッコミ」役はごまんと存在します。いわゆる「一億総ツッコミ時代」です。ネット上には誰かの意見に反対を述べる、あげつらう、あら探しをするなど「ツッコミ過多」状態です。匿名性であるがゆえに人を傷付けていることにも気づかずにエスカレートしてしまいます。

自分から積極的にテーマ性をもって発信するのではなく、他人がすることについて単に批判する…これは著しくバランスを欠いた行為と言えるでしょう。

笑い、ユーモアは人生の潤滑油

世の中、堅苦しい話だけでは暮らしにくいものです。自らの失敗談を明らかにすることで聞き手にも安心感を与えられます。

誰も好き好んで失敗する人はまずいないでしょう。それでも人間は失敗を冒してしまう。この世の常です。要は失敗した時にものごとをどう捉えるか?どう振る舞うかにポイントがあるように思います。これは当事者にとっても上司にとっても問われていることです。

ユーモアを挟むことでその後の人間関係がスムーズに運びます。以前、アメリカのブッシュ(父)元大統領が来日し、天皇陛下や総理らとの晩さん会で倒れて騒ぎになったことがあります。

世界のリーダーたる大統領が倒れる…。これは一大事です。しかし、この時のバーバラ夫人のスピーチが喝采を浴びました。

「うちの夫が倒れたのは、お昼行われたテニスに原因しています。我が家の家訓は“テニスで負けてはいけない!”ですが、あろうことか駐日大使も夫を勝たせてやれなかった…。たぶん、それが影響したのでしょう。」

また、レーガン大統領が街頭で狙撃された時、駆け付けた救急隊員に「君は共和党員だろうな」と声を掛けたエピソードが残っています。死ぬか生きるかの時にジョークを飛ばす、これも欧米の価値観かと思わされたものです。

いずれにせよ、本人のみならず周りが緊張を強いられる、責任を問われかねない場面で部下を責めない、許容するそのセンスに驚嘆したものです。

 

ボケ志向とツッコミ志向とバランス化

話をボケとツッコミに戻しましょう。この二つには役割の違いがあります。「ボケ」役は、物事を提起する役です。それに対して「ツッコミ」は世の中の常識的なモノサシで指摘する役割です。そこをちょっとオーバーに誇大表現することで笑いが起こる。この間合いが可笑しみを生み出しているのですね。

こう考えると、問題提起役のボケ役と、その矛盾を突くツッコミ役の二人がいて初めて成り立つのが芸です。このバランスが実に大事なわけです。ことさら大きく「ボケ」る。それに対して相方がやさしくかつ厳しく突っ込む。実はこれって会社内でのアイデア会議に似ていると思いませんか?

 

ちょっと奇想天外な、非現実的なアイデアを出す。それに対して矛盾点をしっかり突っ込んでいく。でも、そこには

「どんな馬鹿げた提案でもまずは聞こうじゃないか!」

というやさしさが根底に流れている…そんな企業なら新しいアイデアがどんどん生まれ社内も活性化されるはずです。そうです。ユーモア発想は社内の空気を一変させるのです。このやり取りこそが社内で言うところの「価値観」のぶつかり合いに他ならないわけです。

ボケとツッコミが飛び交う社風

企業の中にこの「ボケ」を受け入れる素地があればこそ社内のコミュニケーションを活発にし、次々と新しい挑戦を生み出す。現在、私たちは他者の目を気にして一般的なことばかりを言いがちになりがちです。批判されることを恐れ、思うことがあっても言いにくい。まさに、窮屈な閉塞感漂う社会です。

これを企業の中で自由に意見を戦わせられる環境を作る。企業の発展に欠かせない要素です。ただ、これを実践する際、自分は「ボケ志向」タイプなのか、それとも「ツッコミ志向」タイプかを整理する必要があります。どちらのタイプに属するかは育った環境などに左右されるでしょう。

「ボケ志向」タイプには、

主体的・主観的に行動する人が多い

です。常に「場を和ませよう」と虎視眈々と狙っているのですから…。こういうタイプの人は「自分の人生の主人公は自分」を意識し、他人の視線など気にせず突き進むことのできる人です。ただ面白いことを言うだけではないのです。

一方、「ツッコミ志向」タイプは分析力、まとめる力にすぐれています。こうした両方のタイプが絶妙に組み合わさっている組織ってきっと強いでしょう。皆さんの会社では、そうした明るい笑い声がいつも響く環境になっているでしょうか?人の意見をまずは聞くという姿勢になっているでしょうか?

漫画化家とは!?
なんでもマンガにする専門家。
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