先日、新聞でキャラクターのユニークな使い方についての記事を発見しました。
話題の主は「自動車関連の電子機器メーカー」。直販ではないので消費者とのつながりはあまり深い方ではないでしょう。そんなメーカーが可愛い女子をモデルにしたキャラクターを制作し、生誕10年を記念してモニュメントを作ったというものです。
音声認識機能を利用して「会話」も楽しめ、ファンにとっての「聖地」を準備することで企業イメージのアップと地域の観光振興にも期待が持てます。
そうしたことも手伝って除幕式には市長も出席したとか…。この話題を目にして「たかがキャラクター、されどキャラクター」の意を強くしました。活用次第では大きな力になってくれるのです。キャラクター活用でもっとも重要なことは、
という意識を持つことです。この意識が根底にない限り単なる添え物で終わってしまいます。
キャラクターを作ったもののうまく生かし切れていない事例は腐るほどあります。一時期、全国の自治体が競って「ゆるキャラ」を誕生させましたね。しかし、今そのうちどれぐらいが生き残っているでしょう。数えるほどです。人々の記憶の中から消えていった可哀想なキャラクターがいっぱい存在します。これにはキャラクターをどう活用するか?のビジョンが明確でなかったことが災いしています。
などです。「何のために作るのか」「どんな役割を担わせたいのか」「どんな年齢層の人に気づいて欲しいのか」、などがハッキリしていないことから実にもったいないことにつながっているのです。キャラクターそのものの設定が甘いと宝の持ち腐れとなってしまいます。
「キャラクター開発は子育てと同じ」
私はいつもそう力説しています。子どもが生まれ、成長する段階に合わせて親はいろいろ手を施していきますね。食事や運動、さらに教養や人との付き合い方など社会で生きるための知恵や知識を授けていきます。そうして一人前の大人に育てていきます。
キャラクターもこれと全く同じ。キャラクターは、社長や営業マンに成り代わって年中無休、不眠不休で頑張ってくれます。しかし、そのことを根底で理解しておられるでしょうか?
これには、キャラクターがどれほどの威力を発揮してくれるものかわからない!という要素が大きいでしょう。皆さんの身近にもキャラクターで成功した企業なんてほとんど聞いたことがないのが実情でしょう。
小さな都市のある電気工事会社ですが、ここはキャラクターを有効活用しておられます。特に威力を発揮しているのが「リクルート」面。どうしても地味な感じの拭えない業界だからこそ、キャラクターをいたるところに活用し、
というイメージづくりに取り組んでいます。これがもとで同業他社に比べリクルート面で顕著な成果を挙げています。
キャラクターを新たに開発するにしろ、リモデルするにしろ、その根本的な目的はただ一つ
です。つまり、そのキャラクターに感情移入してもらうことでキャラクターは独り歩きを始めます。キャラクターが発した言葉や行動に対して人は共感を覚え、ファンになってくれる。それがキッカケとなってその企業の商品やサービスの購入へとつながっていくのです。
では、人が共感するのはどの部分でしょう?容姿でしょうか、それとも中身、人間性?(人間じゃないのに人間性というのも変ですが…)
これはまさに一人の人間と同じです。人が共感するのは趣味嗜好もありますが、もっとも影響力があるのは、その人の価値観、人生観ではないでしょうか?そこに共通点を見出した時に心の底から人間は共感を覚えるものです。
キャラクターに命を吹き込むとはまさにこのことを言うのです。私自身を例にとります。私、「四元重美」という人間を自己分析と他人の評価からまとめてみます。
笑顔、元気、声が大きい、若々しい、ユーモア、酒好き、歌が上手い、年寄りに人気、気さくな性格、我慢強い、涙もろい、本が好き、研究熱心、ホッとさせる人柄、褒め上手、美点凝視、先祖思い、こだわりとアッサリが同居 etc.
一方マイナス面では、飽きっぽい、見栄っ張り、目立ちたがり、一言多い・・・・
このようにプラス・マイナス両面にわたって私という人間は作られています。それぞれの功罪はともかく、こうしたことがないまぜとなって魅力と映り、私に共感を覚えてくれる人がいるのでしょう。こうした設定をキャラクターに持たせることでファンが生まれてくるのです。
さて、こうして誕生させたキャラクター。今後どのように活用させればいいのでしょうか?それは自社で使用する名刺や看板、封筒、HPなどありとあらゆる場面に登場させるのです。印刷物の一部に添えた程度ではダメです。トコトン活用しましょう。
とりわけこの時代のSNS活用をおすすめします。世間の話題になる、すなわち「バズる」に適しているのは「SNS」ですね。
また、マスメディアに訴えかけるのも効果が高いです。私が今回見かけた電子機器メーカーもユニークな仕掛けを施したからこそ取材にやってきたのです。このような遊び感覚で取り組んでみてはいかがでしょう?
また、このキャラクター開発は社員を巻き込み育てていくという体制を取ることでモチベーションアップにもつながります。身近な例では、ぬいぐるみなどを作り、社員とともに外に出かけて活動する。商談の場に同席させる、一緒に食事に行く、観光地を巡るなどまさに一人の人間として扱っていくのです。そうして都度情報発信を行っていく。この気長な活動がファン化につながっていくのですね。
さて、今回のコラム、いかがだったでしょうか。「たかがキャラクター、されどキャラクター」の一端を感じていただけたでしょうか?個性的なキャラクターづくり、マンプロもお手伝いします。