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漫画化家道コラム
第58話:五感を使ってギャップを生み出す

先日、ショッピングモールで開催されたイベントに参加しました。出展者は知的障害者福祉施設、野菜・果物の物産業者、織物や器を取り扱う業者さんなど。日曜祝日ともなるとそれなりの集客力のある施設です。スーパーマーケット、スポーツショップの他、ファッション、映画館、グルメ街など多種多様なお店の集まる人気スポットです。

時間帯によってはかなりのお客さんで賑わっていましたが、いかんせ、イベントスペースに人が寄り付かないことに改めて集客の難しさを実感しました。

私は、先頃開催した漫画コンテスト「クロデミー賞」の作品展示などを行いました。しかし、ほぼ立ち寄るお客はナシ。少しぐらいは立ち寄ってくれるだろうという淡い期待も木っ端みじんとなりました。(笑)

でも、よくよく考えればそれも当たり前です。絵の展示会を目的に来た人はいないわけですから…

だからこそ、まずイベントスペースそのものに吸引力が必要です。そうしたこともあって主催者側としてはバンド演奏、フラダンス、子どもたちのダンスなどイベントと絡ませていました。しかし、通り客が足を止めてくれるのは

「子どもたち登場シーン」

のみ。しかも、出演する子どもたちの家族が応援に駆け付けているため、その時間だけは、人だかりが一定の規模でできます。しかし、それが終わると蜘蛛の子を散らすように人がいなくなります。そこで感じたのは、

よほど興味を惹かない限り立ち止まってはくれない

ということです。それほどイベント集客は難しい。ただ何となくイベントをするのではなく

テーマ性

を持たせることが重要です。およそ、関係性の薄いテナントをただ集めただけでは集客できないということです。さらに、そのテーマ性に加えて人間の五感に訴えかける演出も必要です。

人間の本能をぶっ刺す演出

ではどうやったら人は足を止めるのか?それには人の五感に訴えるのです。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚ですね。中でも視覚、聴覚が人の印象に与える影響の90%を占めると言われます。ここにまずは訴えかける。例えば、

 

◎奇抜な格好をして踊る
◎心地いい音、もしくはけたたましい音を流す(多少ひんしゅくを買いますが…)
◎レーザー光線を走らせる
◎バナナのたたき売り風の口上を述べる

など、目と耳とあわよくば香りなどを駆使してまずは人の足を止めさせるのです。人はごく当たり前のことをしてもそれが普通過ぎるゆえ通り過ぎてしまいます。かねてと違うこと、見慣れないもの、そう、あえて

ギャップを作る

ことが必要です。

おや、これは何だろう

と思わせることから始めます。再三、このコラムでも述べていますが、人間は

 

注目→興味→欲求→記憶→行動

 

の順に動きます。まずは最初の段階で注目、足を止めさせないとどんなにいい商品やサービスも売れないのです。

子どもと動物(ペット)は鉄板ネタ

足を止めさせると言えば、子ども(できれば赤ちゃん)と動物は鉄板ネタです。それは、なぜか?駆け引きや思惑など生きている大人のダーティーな世界からちょっと離れたいという願望が深層心理にあるからです。

子どもやペットは汚れを知らない世界にいます。だからこそ人はそうしたきれいな世界に少しでも浸りたい感情に突き動かされるのです。自分の心の洗濯をしたいのです。

テレビCMをはじめとした広告に子どもや赤ちゃん、それに動物が出てくることでどこか「ホッ」としたものを感じるのは、一種の本能とも言えます。

実際、私が参加していたそのイベントでは大人の演奏には素通りしていた人も、幼稚園児や小学校低学年の子どもたちの歌や踊りが始まると多少人だかりができていました。

子どもとペットの力、恐るべしです。

ブランドがモノを言う

あと、人が足を止めてくれるためには先ほどのギャップを利用した演出と似た手法ですが、有名人を登場させる手もあります。

例えば、今回のイベントにサプライズでキムタクこと、木村拓哉が登場していたらどうなっていたでしょう。恐らく人だかりができ、あちこちから喜びの声が上がりボルテージは最高潮に達したことでしょう。なぜか?

有名だから

です。つまり、ブランドそのものが人を惹きつける要素ですし、ちょっと触れてみたいという願望が湧いてくるのです。これこそがブランド。「こんな場所にキムタクがいるはずがない!」という常識のウラを行くギャップ利用です。

ただこれはあまり現実的ではありませんね。しからば、芸能人ではなくキャラクターを活用する手もあります。これなら若干リーズナブルな手段になり得ます。県の公式キャラクターも目的いかんによって貸し出してくれますので利用しない手はありません。皆さんも検討してみてください。

詰めの甘さを乗り越える

これまで述べてきたように、人の感情の流れに沿って演出を考える必要があるのですが、得てしてここの取り組みがなされていないことが多いように感じます。

話は変わりますが、人間には先天的か後天的かはわかりませんが、どうも「得意」「不得意」があるようです。かく言う私自身、細かいことが苦手でした。世の中の大きな流れを考えるいわゆる「戦略」的なものには興味があるのですが、それを実行するための細かい仕組み(戦術)を考えるのは不得意というかあまり興味が湧かないのです。

そのため、構想は素晴らしいのだけれど結局は実現しない、あるいは中途半端に終わってしまう、という事例があまりにも多かったです。

やはり、戦略と戦術がうまく組み合わさってこそ物事は成就できるのですね。でも、やっぱり私は大きな構想を考える方が好きです。ですから、細かい戦術の大切さを十分に理解したうえで周囲の力を借りる…ということを今は心掛けています。

実は、世の中眺めてみるとこの細かい「戦術」の部分がないがしろにされている事例があまりにも多い。軽視している。それは、自分が考えた通りに周囲が動いてくれる、実行してくれると勝手に考えているからです。

そうはいきません。相手には相手の考えがあり事情がある。そんなわけで人々の心理をしっかり読んだうえで細かい仕組みを作り実行していってはじめて物事は成立します。ここが私を含めて実に甘い。甘すぎるのです。今回のイベントを通してそのことを強く実感しました。

 

ひるがえって皆さんのお仕事現場ではいかがでしょうか?
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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