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第60話:広告神話は細部に宿る!

前回に続いて戦略・戦術について考えます。今回のテーマは、「数学的思考」と「戦術は綿密に!」です。

私は子どもの頃から算数・数学が大の苦手でした。一ヶ所でつまずくとそのことがいつまでも気になり、テストでもその先に進めないのです。その結果テストの点数が上がらず、ますます算数・数学嫌いになっていく。さらに成績が落ちる。まさに負のスパイラルでした。

学生の頃は、この数学が世の中においてどれほど役に立つのだろう。足し算、引き算、掛け算、割り算さえ身に付けてさえいればいいではないか…。そんな疑問さえ持つ有様でした。

しかし、そんな私が齢を重ねるにつれてがぜん「数学」に興味が湧き、「数学頭」で考えることがいかに大切であるかに気づかされるようになってきました。

◆論理的に考えるクセ

よくよく考えてみれば他の教科と違って数学には正解がありますね。もちろん、その答えにたどり着く方法は一つではないかもしれませんが、いずれにしても正解はあります。

一方、国語における作文や音楽など特に文化系の評価は採点者の裁量に影響されるため点数化が難しいです。

今回のテーマは、どちらが大切か?ということではなく、数学的思考も取り入れながら世の中を見渡してみようという視点です。

世の中は一定のシステムというか、ある秩序に従って成り立っているのではないか…。そう考えます。すなわち「数学」で一定のことは解き明かすことができるのではないか?と考えるのです。

複雑に見える世の中の出来事や仕組みを数学的な視点で解き明かすことで真実が見えてくる。いやそこまではなくともわかりやすくなる。そんな気がしています。実例を挙げましょう。

私は今度のコロナ禍において、メディアからもたらされる情報が偏った数値化になっている気がしてなりません。毎日毎日感染者数のみが報道され、「今日も増えた」というように片方に引っ張られがちです。

しかし、冷静になって考えてみると意外な面が見えてきます。国内でのコロナの感染者数は740万人です。すごい数ですね。でも反対から見てみると残りの1億1,300万人は感染していません。これは動かしようのない事実ですね。(率にして6・5%)

極論ですが、この感染者と非感染者の数が逆転した時点でほとんどの人が免疫を持つことになり、それ以上拡がりません。そうするとこの時点ではおそらくニュースにならないでしょう。ニュースになるのは“最後までコロナに罹らなかった人”です。そうです。メディアは

「特殊性」

をニュースにするのです。

私がこんなことを言うと、「お前は感染者がどんどん増えることを肯定するのか?」と責められるのですが、私はこの病気を軽視しているわけではありません。感染しないに越したことはないです。

要はバランスだと言いたいのです。コロナばっかりに目を向けその他のこと、例えば経済を回すこと、子どもたちの心の健康に目を向けること、こうしたことを論理的に見ていく。反対側の数字を見ていく。これがつまり数学的な思考と言えるのではないでしょうか?

◆足して100になる思考法

学生時代、数学苦手の私でも時たま正解にたどり着いたときのうれしさは格別だったことを思い出します。因数分解するほどの数学的難題を抱えることは今でもそうそうありませんが、ひとつヒントになったことがあります。私が尊敬してやまない森岡毅さんの受け売りですが、

足して100になる思考法

です。先ほどのコロナのカウント法と一緒ですね。感染者数と非感染者数を足せば100になる。それを見て判断する思考法です。例えば飲食店で最近客足が落ちてきた。その原因を追究しなければという事例があったとします。

「近所のオフィス街の客が減ったのかな?それとも女性客が減ったのかな?」

という仮説を立てたとします。しかし、これは数学的思考としては不足です。なぜなら足して100にならないからです。オフィス街の客の中の女性とそうではない女性が被っているからです。

まずは女性客と男性客の比率を割り出す。次にオフィス街の客と働いてはいない客との比率を見る。こうして足して100になる方法で割り出すこと、これが数学的思考といえます。

◆ベネフィットを明確に

次に、私自身のもっとも弱点であった詰めの甘さについて考えます。詰めの甘さとは、いいところまで交渉が行くのだけれど結局成約につながらないという現象のことです。

私はかなりこれで取りこぼしをやってきました。時間や移動という労力ばかりを消費して徒労に終わっていました。その原因が

顧客心理の理解不足

にあったことをようやく気付くに至りました。(といっても理想レベルには程遠いのですが)

つまり、お客様の本当に欲しいもの、欲を言えばお客自身さえ気づかないほどの根本的な欲求であるベネフィット(消費者便益)に焦点が当たっていなかったのです。

お客が本当に何を解決したいと考えているのか、何がもっともお客の利益になるのかをトコトン掘り下げていなかったのです。つまり、提供する側(私)の利益がどこか前面に出ていたように思います。そうした心理になれていないのです。

あえて、言い訳させていただくと

人間は自己保存の生き物

です。どんなにきれいごとを言っても、まずは「自分の命が大事」「家族が大事」「社員が大事」となってきます。だから自分の利益が先に頭をよぎる。それが私自身強かったのかもしれません。しかし、考えてみれば相手、お客さまにも同じことが言えます。そこをよくわかってくれる売り手こそ気に入られるわけですね。

そこに気づくのに時間がかかりました。自分の立場ではなく相手の立場で考える。「言うは易く行うは難し」です。

さらに、加えるならば相手が気付いていない潜在的な欲求をあぶり出し、そこにフィットするアイデアを提案していく。これこそが戦術です。そのためにはヒアリングも大事ですが、世の中の動きをつぶさに観察する目が重要になってきます。

「戦術は千術」

といわれるように無数の方法があります。トコトン細かく細かく顧客心理に基づいて死角のないようにアイデアを固めていきます。ここに手を抜いてはすべてが水の泡となってしまいます。

最後に、戦略についても触れておきます。前回お伝えした通り、正しい戦略(周りの環境を分析しどこの誰に、どんな価値を提供するか)が定まっていないと、無数のアイデアを考えることになり、ムダが多く発生してしまいます。そうです。戦術は戦略にひもづく存在なのです。ぜひ、このあたりを意識して努力していきたいものですね。

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