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漫画化家道コラム
第61話:問いが答えを産む

末っ子(男の子)がまだ小さかったころ、妻とよく論争になったことがあります。学校への出がけに、

「今日は雨が降りそうだから傘持って行きなさいよ」
「忘れ物は?●●と▲▼はチェックした?」

と妻が声を掛けるのです。そこで私が「あれこれ構わない方がいいのでは?」と言っては口論に…。その繰り返しでした。私は妻の見ていないところでよく子どもに

「今日の天気はどうかなあ~、必要なものは何があるかなあ~」

と耳元でささやきました。果たしてこれがその後どう役に立ったのか検証はできておりませんが、先回りしてあれこれ世話を焼くのは子どもの成長にとって良くないと考えてのことです。妻は末っ子だけに余計心配をしたのでしょう。これぞ母心ですね。

しかし、ことビジネスに至ってはよりコミュニケーションを活発にし、成果を挙げるためには自分自身の頭でまず考える…というクセをつけることは重要です。そこで今回のコラムは「質問力」について考えます。

聞かれると答える脳の構造

そもそも質問力とは何でしょう。相手に対して疑問点やわからないことなどを問いかける能力?と言っていいでしょうか。現代は、メディアが多様化かつ大容量化、スピード化するにしたがって私たちの頭(脳)はひどく疲れている状態です。

そうなると考えること自体おっくうになりがち。こうした時に、良質な質問を投げかけてこちらの考えを整理してくれる人に出会うと途方もなくうれしくなります。

この良質な質問こそがこれから生きていくうえで価値の高いスキルとなります。会話を通じて相手の悩みや本音が見えてくる良質な質問。心掛けていきたいものです。

さて、私はよく、講演や研修の際に質問を多用します。一方的にしゃべらない。

「マンガを広告の現場で使うようになってきましたが、これには3つのメリットがあります。“面白い、わかりやすい…”と最後の3つ目は何だと思われますか?」と。

答えは

「目立つ」

です。質問されると人間は必ず答えを探そうとします。つまり、この行為自体が「頭を使う」ということ。こうして、随所に質問を散りばめることによって磨かれていくのです。

質問上手は聞き上手、聞き上手は話し上手につながります。確かによく話を聞いてくれる人に私たちは好意を抱くものですが、その根幹に「質問上手」が隠れています。

しかし、この質問上手がなかなかむずかしい。人は誰しもまず自分の事が第一!だから質問するのはある意味我慢が必要です。「自分が先」これは人間の本能に近い…。ならば良質な質問とはどういったものでしょう。

良い質問とは、

相手の意見や体験など、我われがなかなか知りえない質問

です。一方、悪い質問とは

誰でも入手できるような質問、例えば、相手のホームページに載っているような基本的情報で「御社のメインの商品は?得意分野は何ですか?」と聞くようなもの。

これまで得意分野を極めてこられる中でいちばん苦労されたことは?社員の心を奮い立たせた事例は?などを聞くことこそが良質の質問になっていきます。本音が出てくる、本当の成功の理由がわかってくるのです。

オープンな質問で枠を広げる

さらに付け加えるなら質問の種類には大きく分けて「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」があります。この二つをうまく使い分けることで本心を引き出すこと、具体的な行動につなげることが可能となってきます。

「クローズドクエスチョン」は、「はい」「いいえ」の二者択一で相手が明確に答えられる質問。例えば、「あなたはリンゴが好きですか?」といった質問。

一方、「オープンクエスチョン」は相手に自由に答えてもらう質問法。例えば、「リンゴのおいしさをあなたならどのように表現しますか?」というような人によって異なる答えが返ってくる類いのものです。

実は、この「オープンクエスチョン」をうまく使うことで会話がどんどん広がっていきます。

その効果を実感したのが、長男がなかなか学校になじめず私自身が悩んでいるときに出会った「コーチング」でした。このコーチングを通じて「傾聴」の大切さを学んだのですが、このコーチングでは徹底してオープンクエスチョンを駆使して指導を受けました。このことで長男が多少心を開くようになってきたように思います。

本音と建て前、両面思考で対処する

質問と言えばアンケートもその一つ。しかし、このアンケートはよほど練らないと本音を引き出すことができません。人間は、自らに関係しないことには本音を語らないのです。事例を挙げます。

先だって新聞で「同性婚」についてのアンケート結果が紹介されていました。すると半数近くの人が「同性婚に賛成」と答えていたのです。随分と世の中、物わかりの良い人たちが増えたな、と一瞬思いましたが、本音は質問の仕方が稚拙だと言いたかったです。

あなたは同性婚に賛成ですか?

と問われた時、多くの人は「どっちでもいいや」くらいの軽い気持ちで答えてしまいます。それは

自分事になっていない

からです。自分にはほぼ関係ないからハッキリ言ってどっちでもいいのです。こうした時に聞くべきは

「あなたの息子さんや娘さんが同性婚をしたいと言ってきたらどうしますか?」

と聞かなければなりません。他人のことならどっちでもいいけど我が家では?という心理が働きます。

人間は基本的に「自己保存」の生き物です。自分自身に降りかかってきて初めて真剣に考えるのです。

自問自答を常時繰り返す

また、この質問は相手だけでなく、自分自身に向けてのものもあります。つまり自問自答ですね。こうした自らへの問いを一日のうち何十回、いや何百回とやってのけているのが私たちです。

朝起きてからというもの、先に顔を洗うか、新聞にするか、ご飯の量は大目にするか少なめにするか、スーツは青にするかグレーにするかなど些細だけれど多くの決断をしています。こうした生活習慣の中、私が特に最近心掛けているのが

「これは何のためにするのか?」

という問いです。他にも、「今やっていることはどのような成果につながるのか?」

「何がボトルネックとなっているのか?」という目的志向の問いをしょっちゅうやっています。

これをしっかりやっておかないと基本方針からずれるからです。常に

「何のために」

を繰り返す!これによってより自分の方向性が明確になってくることを実感します。これからも自分自身に課していくワークです。
皆さんはどのような問いをいつもしておられますか?

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