久々に大笑いしました。どこか冴えない感じの中年オジサンが、あらら、、、、急にイケメンに変身してポスターのモデルになっちゃった・・・。これは、神戸・三宮商店街の店主らをモデルにした街おこしの一コマです。
※写真は同商店街有志が立ち上げたHPからお借りしています。
https://9cytu.hp.peraichi.com/
商店街の皆さんと企画会社・書店がタイアップし、実に面白いポスターが出来上がっています。商店主らのビフォーアフターの違いぶりに何度も手をたたいて笑ってしまいました。
しかも、こうした悪ふざけを単なる遊びに終わらせず、キチンと街おこしにつながるように設計されているのです。ここポイントですね。
このイベントは、「神戸三宮・元町の商店街のおじさん達をカッコよくしてみたポスター展~ OSSANS(オッサンズ) ~」というもので、このタイトルを聞いただけで興味がそそられます。
今回のコラムは、人の目を惹き付ける、脳内にしっかと焼き付けるためには「面白い」がキーワードだと改めて感じさせられたのでご紹介することにしました。
私はよく講演やスピーチで次の質問を投げかけます。
と。普通だと太陽光?原子力?風力?人間の生命力などと挙がりますが、私が考える最大のエネルギーは
です。比較する基準に多少無理がありますが、そこはご勘弁を。要は、人は「面白い」と感じればこそ動くと言いたいのです。どんなに目の前にニンジンをぶら下げられようと面白くなければやがて飽きてしまいます。だからこそ「どうしたら面白くなるのか?」を考える。すると人は黙っていても動き始める…そう考え今では若手漫画家らと面白いこと発掘に精を出しています。
私が所属するある会では、「朝礼」を大テーマとしています。一日の始まりである「朝」に着目して様々な活動を行っているのですが、この中でよく耳にするのが
「朝礼がマンネリ化して元気がない」
というものです。長くやっていればいずれマンネリ化は必ずと言っていいほどやってきます。これには変化をつける、面白いという要素が欠けてしまっていることから起こる現象です。
特に朝礼では社長や上司が訓話みたいなものを延々話し続けることや判で押したように会社の理念を唱和することが当たり前となっているようです。しかし、
真面目な話は記憶に残らない、自分事と捉えてもらえません。では、真面目な話がなぜ受け入れらないのか…。それは当たり前すぎるからです。人間は
とインプットしているためシャットアウトしてしまうのです。
ここを突破するには
で突き崩すしかありません。そうした観点からこのオッサンズの企画は特筆に値します。
この企画は元々雑談の中から生まれたそうですが、最初のノリはこのバカバカしさ、アホくささがカギを握っています。これに感度のいい人が参加してくれるようになって初めて動き始めます。街おこしの必須アイテムが「よそ者、若者、馬鹿者」と言われるようにごく一部の人間から始まります。この企画は良い年した「オッサン」たちある意味「馬鹿者」呼ばわりされかねない人たちの集まりです。ここに私は痛く共感しました。
さて、この企画はバカバカしさだけかというとそうではありません。もともとこの企画が生まれた背景には、日本を代表する貿易港・国際都市として発展した神戸という街のブランドを守りながら展開しています。そう、「おしゃれ」「ハイセンス」といったイメージを壊さないようにまとめられているのです。
特筆すべきは、神戸コレクション(阪神淡路大震災後、神戸を復活させるために全市的に開催されているイベント)に便乗する形で実施したこと。単に店主らに花を持たせてカッコつけているのではありません。神戸コレクションという大きなイベントのテーマと統一させているのです。
奇をてらったものばかりをてんこ盛りするのではなく、しっかりと町のビジョンや計画に沿っているのです。ここを間違えると単なる打ち上げ花火に終わってしまいます。
また、本屋さんの店内展示とともに、文庫本購入者にモデルを起用したブックカバーを付け、そのお店や商店街の誘導につなげています。
さらに、この企画には神戸市役所のメンバーも参戦するなど行政を巻き込んでいます。こうした多くの人を巻き込む仕掛けが「面白さ」を発展させる源となるのです。この企画、他にも応用できそうですね。
但し、そのまんまのパクリは良くありませんよ。考え方そのものを真似るのはOK、必ずひと捻りしてください。
さて、今回のコラムいかがでしたか?次々回のコラムでは、こうした面白さを生む秘訣
「ギャップ、落差」について考えます。お楽しみに!