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第68話:経営理念と広報力の深イイ関係

小規模企業ほど経営理念が不可欠

私が所属している「中小企業家同友会」には、その発足当初から経営指針委員会という部門があり、多くの人がこの門を叩きました。私自身もその一人ですが、これを極めたか?と問われると実に心許ない状況です。

その最たる要因が、PDCA、つまりPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルをキチンとまわしていなかったことにあるようです。

この反省についてはまたの機会に譲るとして、今回はその経営指針とこのコラムのテーマでもある「伝える」「伝わる」の関係について考えてみたいと思います。

経営指針は

「経営理念・経営方針・経営計画」

の三本柱によって成り立っています。

 

経営理念は

何のために経営するのか?

を問い、経営方針は

どこのどんなお客様にどんな商品を提供するのか?

を定め、経営計画では

数字を含め具体的な手の打ち方を計画する

となっています。

この勉強会に参加したのは今から20年以上前のこと。それからその重要性は常々感じてはいたので、何となく取り組んではいましたが、今になってみると「何となく!」月日が経ってしまったような気がします。

もともと私は計画を立てたりすることは好きです。ああでもない、こうでもないといろんな想像を膨らませる、いわゆる妄想が大好きなのです。しかし、これは実行してなんぼ。60代終盤に差し掛かりこれを痛切に感じます。なかなか実行に至っていないその根本原因の一つに「経営理念」があったように思います。

何のためにこの会社を運営するのか、この事業を行うのか?が明確になっているようでなっていない。ここがあいまいだとその日やっていることが終始一貫ではなくなり、やがて当初の思いとずれることになってしまいます。

しかし、こうした経営理念の必要性を説くと

「うちみたいな小さな会社は必要ない!」

という言葉を多く耳にします。しかし、資源がない、資金力がない、人材がいないからこそ経営理念を明確にし、ブレない日常の行動に結び付けなければいけないのです。

 

「伝える」と「伝わる」のギャップ

理念や方針は日頃からうるさいぐらいに伝えていかないと総合力を発揮できません。なぜなら

「伝える=伝わる」

にならないからです。これ、伝言ゲームを例にとってみればわかります。

 

最初の一人が次の人へ順に伝えていくうち内容があいまいになり、最後の人に伝わったときはまったく異なったものになっているケースが多いでしょう。それほど人の伝え方はアテにならないのです。

私たちはふつう何かを相手に伝えたら

伝わっている

と思いがちです。しかし、残念ながら99%伝わっていないと考えた方がいい。まあ、99%は大げさかもしれませんが、当たらず遠からず。私も経験があります。

弊社が10年近くにわたって主催している「かごしま漫画クロデミー賞」ですが、これまで新聞やテレビに30回以上は取り上げられてきました。しかし、いろんな会合に伺ってこの名前を知っていますか?と問うてもほとんど手が挙がりません。漫画家やデザイナーの卵たちが多く存在する専門学校でさえ5%にも満たないのです。

それはなぜか?

人は他人のことを考えている暇などないのです。自分の事で精一杯なのです。だからよほどのことがない限り興味を持ってくれないのです。だから気づかない・・・

社員との一体化がカギ

私自身も数回受講した経営指針作成セミナーですが、鉛筆舐めなめできあがった指針書を前に「いいのができた、これで我が社もうまく行く」と満足したものです。受講者の中には作成したと同時に役割が終わったとして、いつしか会そのものを退会してしまわれる方もいらっしゃいます。

これは実にもったいない。それは作ることが目的となっています。経営指針書は作ったあとからが本番なのです。つまり社内に浸透させ成果を生み出していくこと、これこそが目的なのです。

ということは、社員に本当に指針書に書かれていることを腹の底から理解し共有してもらわなければならない。しかし、これが一番むずかしい。

なぜなら社員とは言え会社のことよりは自分のこと、家庭のことが優先する、さらに個人の価値観と会社の方向性がピッタリ一致することはないからです。ましてや会社のために命を投げうって働く人などいないと考えた方がいいでしょう。

でもそれじゃあまりにも悲しい。せめて経営者に一歩でも近寄って欲しい、同じ思いを共有して欲しい…そう考えるのが経営者です。

そのカギが

繰り返し伝える

ということですね。指針書を年に一度や月に一度言ったぐらいではほぼ記憶に残っていません。ちなみに皆さんの社員にカンペ見ないでスラスラ経営理念を言える人がどれだけいるでしょうか?だから、同じことを毎日、毎日繰り返し伝える必要があるのです。

その方法は朝礼や勉強会を通じて伝えていきます。しかし、ここで大事なことがあります。平易な言葉で語ることです。経営理念なども複雑な表現を避けスパッと簡潔に言い表すことが大事です。さらに具体的事例をセットにすることが重要です。

例えば、方針の中に

「顧客のニーズを先取りする」

というのがあったとします。しかし、これを聞いただけではピンときません。イメージできません。これを自社の商品・サービスや日頃社内で起きているできごとを題材に社内でディスカッションするのです。ここで初めて自分はどのように行動すべきかが見えてきます。

●店頭に立った時、一日一回はお客に声掛けをし要望を書き留める
●あなたの声をお聞かせください。というポスターを大きく貼り出す。
●投書の中からベストな意見を決定し、表彰する
●別な業界のお店を持ち回りで見て回り、気づいたことを社内で発表する etc.

こうやって具体的な案が社員の側からどんどん生まれるようになる。するとこうした行いがいつしか社会の評判になり、それを聞き付けたメディアが取材に来る。こうした善循環が生まれます。つまり、社員を巻き込むことが成功のポイントとなると私は確信します。

その根底にあるのが経営指針(理念・方針・計画)です。さて、皆さんの会社では経営指針の作成に取り組んでいらっしゃいますか?

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