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漫画化家道コラム
第70話:人は理屈じゃなく感情(好き嫌い)で動く

絵で語る、小さく分解して語る

マンガ、イラストなど「絵」を扱う仕事を永らくしてきて思うことがあります。

絵には力がある

と。これを生業としているから当たり前と言えばそれまでなのですが、経験を積めば積むほど、多くの関係者と接すれば接するほどその思いが強くなってきました。私も10数年マンガやイラストに関わり続けてようやくわかった、発見できたことが多々あります。それは、

「絵にはどんな力があるのですか?」

という質問にスパッと答えられる。しかも論理的に!です。まだまだ達人と呼ばれる領域には達してはおりませんが、いずれにしてもそれに近づくには「量稽古」しかありません。寝ても覚めても自分の周りに起こった出来事をすべてマンガに結び付けてみる。その繰り返しをどうやらやっているようです。

ちなみに、文字だけの文章と「絵」がもたらす情報の違いについてごらんになりたい方はこちらのページをごらんください。

これは別に私のような仕事でなくてもすべてに共通することです。

学習能力の向上に「絵」は役立つ

最近買った小学生向けのマンガ学習本を読んでいます。日本全国47都道府県の紹介をマンガ・イラストとクイズを使って解説する本です。これが実に分かりやすい。大人が読んでも十分楽しめる内容となっています。

これがもし、文字と写真だけで楽しく読み進められたかというと疑問です。もちろん観光地巡りをしている人にとってはマンガ本でなくてもよいのでしょうが、小学生は旅行経験が乏しいだけに今一つ興味が湧きにくいし、記憶にも残りにくいでしょう。

マンガ本は楽しみながら読める…。これがその真骨頂です。登場人物も真面目な物知り先生とお調子者の少年、それにしっかり者の少女という構成。彼らがいろんなところを巡りながら気づきを得ていくのですが、楽しく読み進めていくうちにすんなりと学習ができている。ここがポイントです。

人間好きなこと、興味のあることなら少々難しいことでも覚えていきますが、そうでないことは苦痛だけだったりします。

また、この本の推薦者がユニークです。男の子3人と女の子1人の計4人の子どもを東京大学理学部に合格させた経験を持つ母親です。

推薦文によると、子どもたちには小さい頃から学習漫画本を与え、食事の際の親子間の会話では互いに質問の繰り返しをしていたというのです。これが結果として歴史や社会に興味を持つキッカケとなり、ひいては他の教科にも波及していきました。

楽しみながら、遊びながら自然と勉強になっている・・・ここにポイントがあるのではないでしょうか?

右脳と左脳の同時活用

思い起こせば、私たちが幼少時の頃は

「マンガを読むと馬鹿になる」

と言われ、母親の仇とまで言われたものでした。それがようやく行政もマンガやアニメの持つ力を評価しはじめ、教育現場にも登場するようになってきました。

では、なぜこうした「絵」が評価されるようになってきたのか。これは「右脳」と「左脳」の両方を使うということがわかってきたからです。「情緒」をつかさどる右脳と、「論理」をつかさどる左脳の両方を使うのがマンガだったりアニメだったりするわけです。

「絵」で右脳が活性化し、「文字」で左脳を使うことで理解のスピードが格段に上昇していくわけですね。但し、これにも順番があります。

「右脳」への働きかけが先

です。人間は、よほど興味のあるテーマなら別ですが、論理的な難しい説明から入ると拒否反応を示します。例えば行政からのお知らせ。とても大事なことが書かれていてもスルーしがちです。「自分には関係ない」「面白くない」と感じるからです。

まず「楽しそう」「面白そう」「関係ありそう」と感じたのちに、理屈を受け入れる。そういう生き物だと思います。

具体的なモノやコトをはさむ

ところで、皆さんは

君の話は抽象的でわかりにくい

そんな指摘を受けたことはありませんか?何を隠そう、この私も20代の頃はそう言われていました。特に印象に残っているのは、広告代理店に勤務していた頃、社員募集の面接官を務めたことがあります。自分自身では上手くできたつもりで意気揚々としていたのですが、上司からコテンパンに怒られました。

自分だけがしゃべり過ぎ、話が一般論で相手に通じていない

ショックでした。自分ではうまいつもりだっただけに。しかし、それから俄然話し方の研究を始めて少しはましになっていきました。

それはともかく、抽象的な話は聞き手が眠くなる、理解するのに苦労するという欠点があります。それはなぜなのでしょうか?

抽象的な話は聞き手が頭の中に絵を描けない

のです。何を言いたいのか、どんな場面の話をしているのか、誰に向けての話なのかがサッパリ伝わってこないのです。では、絵を描くにはどうするか、それは小分類で語ることです。

大分類から小分類で話す

わかりやすいと言えば自らの体験談がもっとも効果的です。なぜなら話の中にモノやコトが含まれている。しかも時系列であり物語風となるわけです。

加えて抽象的な話を大分類、中分類、小分類に分けて考えてみましょう。運動を例にとります。「運動」は大分類、「屋内スポーツ」「球技」「武道」は中分類、「ラジオ体操」「ウォーキング」「「サッカー」は小分類になります。例えば大分類の「運動」で話をするとこうなります。

「コロナ禍にあってリモート勤務が増えてきました。その結果、生活習慣病も増えています。今こそ適宜に運動をして健康を維持するのが大切です。」

となります。しかし、こう言われてもピンときません。なぜなら聞き手の頭の中に浮かぶイメージがバラバラなのでハッキリ絵が描けないのです。ある人はラジオ体操を思い浮かべ、ある人は散歩、ある人は筋トレです。

これを小分類で語ると、こうなります。

「まずはストレッチから始めてください。最初に右手足、左手足をブラブラさせて力を抜いてリラックスさせてください。だいたい20回がメドです。次に筋トレとして腕立て伏せを20回、次にスクワットを10回、次に・・・・・」

というように具体的なメニューを提示するとわかりやすくなります。

大分類で語るとどうしても抽象的でかつ訓話的になってしまいます。聞き手が頭に絵を描けるようなモノやコトを挟んで話してみてください。グンと伝わりやすくなります。

今回のコラムはここまでです。物事を伝えることの大切さを感じ取っていただけましたか?社内におけるコミュニケーションの構築のお手伝いを弊社では行っております。お気軽に声を掛けていただければ幸いです。

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