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漫画化家道コラム
第76話:色仕掛けで人を魅了する

思わずドキッとするようなタイトルになりました。しかし、これもれっきとした広告の手法。見る人が「ん?」と思ってくれるような「引き」は大事です。

SNSをはじめ、膨大な情報が氾濫している現代では情報の中身も大事ですが、導入部分で注目を集めない限り先に進んでもらえません。なぜなら、膨大な情報をいちいちチェックなどしていられないからです。

そこでこのタイトルにしたのですが、「色」にまつわる言葉を探すと結構あるものですね。

色仕掛け
色メガネで見る
色気がある
色目を使う
色気狂い

といったダーティーなイメージをはじめ

色分けする
色彩豊か
わたし色
色とりどり揃っている

などなど

そこで今回は「色」が私たちの心理にどのような影響を与えるかについて考えます。

人間はイメージで動く

我が家の事例です。子どもたちが保育園に通っている頃、妻が体験したことです。
一日遠足でバス3台にて移動することになりました。行きのバスは指定されていたそうですが、帰りは自由に乗車していいということになったそうです。

すると1台のバスに母親たちが殺到したというのです。そのバスとは・・・

車体が真っ赤で、カッコいいロゴが施されたバスです。

「私が先よ、うちの子、今度卒園だから私に譲ってよ」

というように我先に母親が乗り込もうとしたというのです。他の2台のバスは紺と白のカラーリングで、どちらかと言えば地味な感じの車体です。

このことを妻から聞かされ、色、デザインが人に与える影響は半端じゃないなと感じたものです。スイーツもそうですね。食べてみなければ本当はわからないのに見た目で「おいしそう」の言葉が飛び交います。たかが色、されど色なのです。それだけ色は私たちの生活に密着しているんですね。

場面に応じて色を使い分ける

色にはその色が持つ特性があります。まずは、以下の写真を見てください。地元デパートの折り込みチラシです。

これを見てどのような印象を持たれますか?

春らしい色だなぁ

とお感じになりませんでしたか?春はウキウキ、楽しい季節ですよね。それをしっかり取り入れたデザインになっています。

色の持つイメージと心理的効果は、印刷物や看板、ホームページ、広告デザインなどに活用されています。商品や会社のイメージを効果的に伝えるためにも色に着目しましょう。

色には大まかに暖色系、寒色系、中間色系がありますが、色にはそれぞれ特性があります。代表的なものを挙げます。

  • 赤…熱い、強い、危険、怖い、派手、情熱的、緊張、怒り など
  • ピンク…かわいい、甘い、幸せ、ロマンチック、女らしい、優美 など
  • オレンジ…暖かい、明るい、元気、健康的、楽しい、親しみやすい など
  • 茶色…自然、冷静、レトロ、地味、保守的、渋い など
  • 黄色…明るい、希望、喜び、暖かさ、幸せ、躍動 など
  • 緑…自然な、安らぎ、落ち着き、癒やし、若さ、爽やか、安全、健康 など
  • 青…冷静、知的、爽やか、信頼 など
  • 紫…高貴、高級、神秘的、大人 など
  • 白…清潔、純粋、無垢、潔白 など
  • グレー…曖昧、陰気、不安、落ち着き、控えめ、汚れた など
  • 黒…強さ、恐怖、孤独、反抗、暗さ、クール、不吉、悲しき、高級感 など

このそれぞれの特性を持った色をうまくビジネスや生活の場で活用していくといいイメージを与えられますよ。

また、こんな実験もありましたね。同じ料理をテーブルに置き、下に敷くマットを暖色と寒色にした場合どちらが食欲を増すか?というテストです。

赤色のマットと濃紺のマットでは、赤色が食欲をそそられるという結果が出ました。つまり赤色などの暖色は「膨張」色であり、寒色は「収束」色になるのです。

寒色は気分を落ち着けたいときなどに効果を発揮するわけです。

自社の方向性に関連付ける

では、こうした色の特性を自社の経営にどう取り込んでいけばいいのでしょう。

身近なところで、社長室を取り上げます。黒、グレーなど落ち着いた雰囲気の部屋では、同じ身分同士なら違和感を覚えませんが、社員が出入りするときは逆に落ち着かない印象になります。

かねてから社員に対してどんどん意見を挙げてくれるように促しているのにこの雰囲気なら逆効果です。その威厳に圧迫を感じてしまうからです。

親しみやすさを出したいならグリーンやイエローのものを配置する、壁紙を工夫する。こうすると安心して社員も話をしてくれるでしょう。

また、工場ではよく地味な制服を目にします。汚れが目立つといけないから、という意図もあるのでしょうが、能率をアップさせるなら気分を高揚させる「黄色」などのさわやかな色が似合うと思います。

コーディネートを考える

あと、どの色を使うか決めたとしても、それだけでは完結しません。

「トータルコーディネート」

の作業が待っています。元気の出る環境にしたいからと言ってすべて「赤」で満たしてしまうと逆に血を連想させてしまい恐怖感にさいなまれます。このやる気を起こさせる赤と何色を組み合わせるかがポイントです。

印刷物などのデザインでは

ベースカラー・メインカラー・アクセントカラー

の3色が基本とされます。そしてその比率が

70:25:5

ベースカラーとはいわば「下地」として使用される色。印刷物・ホームページの背景などに使われます。全体のイメージを左右する役割ですね。

次にメインカラーです。御社が目指す方向性、感じ取ってほしいイメージを想起させる色です。割合としては25%ですから少ない印象ですが、まさに主張する色になりますから自社のブランドイメージと重ねて選ばれるといいでしょう。

有名なところではコカ・コーラの「赤」がありますね。赤を見ただけで商品を想起させてくれます。ちなみに同社はシロップを運ぶ樽を全て赤く塗ってアメリカ中を沸かせた事が始まりと言われます。それほど「色」にこだわっていたのですね。

次のアクセントカラーの比率は5%。たかが5%ですがメインカラーを際立たせるために重要な色です。いわばカラー展開におけるスパイスのような存在ですね。

色の持つイメージが人の心理に与える効果は、まだ科学的には十分に解明されているとは言えないかもしれませんが、少なくとも色が与える影響は大ですね。ぜひチラシやホームページ、社内の雰囲気づくりにご活用ください。

さて、今回のコラムいかがだったでしょうか?今更ながら色には人の心を動かす重要な役割があります。皆さんも今一度その活かし方をお考えになってはいかがでしょう?マンプロもお役に立ちます。

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