今回のコラムは、先頃行われた統一地方選挙で躍進した「日本維新の会」を題材に漫画化家の立場からマンガ的に斬ってみようとおもいます。まず、マンガの特徴をあえて三つに絞るなら
に私は集約しています。
ということです。今回の「維新の会」の闘いぶりをこれに当てはめて分析したら、なかなか面白い切り口が見えてきました。今回のコラムではその中でも同党のカラー戦略について書きました。
とその前に、カラー戦略の前に「日本維新の会」の基本軸をキチンと整理しておきます。以下、3つの要素を私なりに分析してみました。
これは、国民が投票先を選ぶ際、わかりやすい対立軸がないとベター(安全パイ)を選びがちということです。特に大きな失政がない、あるいは自分自身の生活に直結したテーマでないと「今のままでいい!」という選択に傾きます。
維新の会は今回、自民党と同じ保守系だけど、「身を切る改革」「しがらみのない政治」「いままでの政治を変えよう」というのを前面に押し出しました。(以前からのキャッチフレーズではありますが…)
さらに、今の政権に対して何となく不満がある!こういう層にアプローチをかけました。
同じ保守でも団体票にはほぼ期待せず、無党派の保守層に照準を合わせました。そうした結果、都市部の保守層がかなり同党に投票し、首都圏でかなり議員数を増やしました。
政治に限らず「わかりやすい!」は大切なことですが、この「わかりやすい」は消費者がその違いを一瞬で理解できるような「対立軸」を設けることです。この対立軸は資本主義や社会主義といった極端な色分けである必要はありません。
という比較で構いません。ワンフレーズでわかる!は重要な要素です。
同党には長期的な戦略を感じます。まずは大阪を獲り、次に関西全域、次が首都圏、そしてそれを全国、地方に拡げるという3ステップ戦略です。
事実、大阪だけだったのが奈良・京都・兵庫などの辺りに拡大しました。奈良では知事を誕生させ、和歌山では衆院選の議席を一つ獲りました。
しかも、大阪では府議会でも市議会でも圧倒的多数を占めています。大阪限定と思われていたものが、ジワジワと近畿の周りの府県に広がる。こうなるとひっくり返すには10年いや20年を要するかもしれません。
人の心が世の中を変える原動力なのですから、じわじわと占領地域を広げていく戦略はマーケティングの観点からも賢い戦略ではないでしょうか?
何事もそうですが、変革というのは一朝一夕では完結しません。前代の民主党政権の失敗を活かす視点から、慌てず焦らず、一歩一歩進むという戦略のようです
だって自民党政権が長年にわたって築き上げてきた地盤、信用、基礎票は強固だからです。
下記の図をごらんください。主要国政政党10党のイメージカラーを示してみました。
(Googleで政党名を検索し表示された画像です。)
まずは国会の中で大きな議席を持っている政党です。一目瞭然、日本維新の会は圧倒的にグリーン(中でもライトグリーン)が大きな面積を占めています。立憲民主党がブルー、公明党もややブルーが多い印象です。
一方、自民党は濃いブルー、淡いブルー、赤などが混在している印象です。次にその他の政党を見ていきます。
国民民主党が黄色(山吹色)と紺色の組み合わせ。社民党がややブルー主体というところでしょうか。
新興政党である参政党がオレンジ、れいわ新撰組がショッキングピンク、政治家女子48党が淡いピンクという具合です。意外に共産党が強い印象を与えるカラーを多用していないように見えます。
話題を維新の会に戻します。同党のグリーンを使ったカラー戦略は徹底していました。街宣車に乗っている候補者、応援者は他党がスーツやシャツ姿であるのに対し、ほぼグリーンのブルゾン(パーカー)を着用していました。さらにのぼり旗やビラなどもですね。
さらに目立つように都心の狭い道や住宅街を大人数で練り歩くのです。商店街ではなく狭いエリアで埋め尽くす感じですね。こういう方法はとにかく人の記憶にすごく残りやすいんですね。維新の会はこの
ということを徹底していたように思います。これは参政党やれいわ新選組にも言えることです。人間は良く「色分け」したがるというように、自分自身が判断するための要素として「色」が関係しています。
以上、政党のカラーの使い方ひとつで違いが垣間見えませんか?