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漫画化家道コラム
第7話:マンガ、デザインの突破力

今回のコラムは、「見ない」「興味ない」「読まない」顧客をどうやってこちらに振り向かせるかがテーマです。

・情報量は10年前の8.7倍

この数字はここ10年ほどで私たちが受け取る情報量がどれだけ伸びたかを示す数字です。(出典:総務省「ビッグデータ時代における情報量の計測に係る調査研究」(平成26年))この調査によると2005年と2013年では実に8.7倍に増えています。

これを昭和初期の頃と比較すると50倍、100倍、いやそれ以上になっているかもしれません。考えてみれば納得できます。テレビはNHKと民放が数社。1964年、前回の東京オリンピックの頃、私の地元鹿児島では民放は確か1社だったと記憶しています。

それが今ではBS放送、CS放送にケーブルテレビなど多チャンネル化し、新聞も大手紙、地方紙に加え、フリーペーパーも雨後の筍のごとく誕生し、メディアは群雄割拠という状態です。

そして、私たちの暮らしにもっとも影響を与えたのがインターネット。ネットの草創期はホームページとメールだけだったものが、今ではブログ、ツイッター、FB、インスタなどのSNSツールにいたるまで莫大な量が溢れています。私たちは何ら意識せずとも情報洪水の中にいるわけです。もう一つ数字を挙げます。

1.09倍

これは私たち人間の情報処理能力がどれぐらいUPしたかの数字です。(ちょっと古いですが、情報通信政策研究所調査研究部が平成21年に調査した「我が国の情報通信市場の実態と情報流通量の計量に関する調査研究」のデータより。)

平成13年と21年を比較してみると、わずか9%しかアップしていないのです。情報を受け取る側は変わっていないのです。以上、二つのデータを分析してみると人間は情報に触れたとき下記のような行動をとると考えられます。

・関係ない情報はスルーする

つまり、一目見た瞬間に

「関係ない!」

「興味ない!」

と思った瞬間にさっさと次の行動に移ってしまうのです。それがどんなに重要な情報だろうと…

これは実に怖いことです。それはそうでしょう。すべての情報に目を通していたら私たちの頭はパンクしてしまいます。新聞を隅から隅まで読むとしたら日が暮れてしまいます。そうなると、結局肝心なことがまったく伝わらないことになりかねないのです。

大事なことは、まず

「目に留まること、足を止めさせること」
「私に関係あると思わせること」

です。つまり「取っつきやすさ」が大事なのです。まず注目させること、読んでみようと思わせること。その点で長けているのが“マンガ”です。

これは、前回の第6話でも触れた「AIDMA」と関係があります。

AIDMAは、人の行動パターンを表すマーケティング用語で、人はその商品・サービスの存在を知る(Attention)→興味を持つ(Interest)→欲しいと思う(Desire)→記憶する(Memory)→購入する(Action)というプロセスを経て行動する、とお伝えしましたね。

つまり、いきなりAction(購入・利用)には行かないのです。その大前提が存在を知ること、興味を持つことにあります。この二つの感情を喚起することが重要です。

そもそも消費者、生活者の「見ない!読まない!」という壁を突破しなければ何も始まりません。

興味を持ってもらったら、いよいよ「欲しい」へと誘導しなければなりません。「欲しい」という感情を喚起するために、ここでもすべて「マンガ」を使うか?というと、そうではありません。

すべて「マンガ」で構成するとなると、膨大な情報量になります。一旦興味が湧いてきたならあとは「文字情報」の出番です。最後に人間を納得させる、すなわち本物の欲求を湧き立たせるには文章でしっかり訴えることが必須です。

この時に、もう一つ重視しなければならないのが「デザイン」。見やすいレイアウト、興味を惹く色使い、強弱をつけた文字情報など、デザインが人に与える影響はようやく最近認知されだしています。

・単なる付け足しだったデザイン

デザインに対してはようやく世の中が追い付いてきたというか、理解が進んできたという印象です。

私が広告業界の駆け出しだった頃、あるドクターを紹介されロゴデザインの打ち合わせに伺いました。その時に先方から出た言葉

「何か案を2~3個考えてきてごらん。その中で気に入るのがあったらお金払うから…」

というものでした。一瞬私は「???」となったのを覚えています。その頃は私も若気の至りで「先生は患者さんから風邪が治ったらお金を払うと言われたらどんな気持ちですか?これはそれと同じことですよ」と言い返したのです。それが相手の逆鱗に触れ、出入り禁止。何とも今になってみれば恥ずかしい思い出です。

さすがに今の時代そんなことを言われる方にお目にかかることはほぼありませんが、しかし、まだ一部ではデザインに対する認識が低い業界や人もいらっしゃいます。モノさえ良ければ売れるという錯覚、つまり、付け足しなんですね。

しかし、ようやくデザインで物が売れる時代がやってきました。その要因は、この世の中にないものはないと言えるほどモノにあふれたために、人々は心の豊かさ、満足感を買うようになりました。

モノがない時代であれば、とにかく平均的に人が欲しがる物をつくればよかったのですが、今ではモノも情報もあふれていることから見た目でまず選ぶ傾向が強くなっています。自分の感性に合うカタチ、色、雰囲気、コトバを重視しているのです。

・デパートの包装紙

お中元やお歳暮でもらう贈り物。中身は全く同じでも一流デパートの包装紙でもらうのとそうでないものとでは印象が違って見えませんか?一流デパートの方がさも良さそうに見える…。これなどまさに人間はイメージの生き物だということを突き付けているようです。

高級品なら、それにふさわしいデザインにしなければなりません。色、形、風合いにはそもそものイメージがあります。黒や深い紫は高級さを感じ、黄色やピンクはポップでカジュアルさを感じます。こうしてその商品のターゲットや特性に合わせてデザインは施す必要があります。

おいしそうに見える色、新鮮さを感じさせる色だけではなく、写真の大きさや配置、人の目を引くアイキャッチャーなど全体的にバランスの取れたデザインで売り上げに影響するのです。

ちなみに、ある生理用品(避妊具)はターゲットを成人男女から女子高生に変え、パッケージの形と色も変え、さらに刺激的なキャッチコピーを付けました。ぱっと見「お菓子かな?」と思えるようなパッケージです。

また、流通経路をこれまでの薬局、ドラッグストアーから雑貨屋さんにも拡げ異なる層にも浸透を図ったことで、がぜん売り上げが上がりました。

小売りやネット通販の現場では、商品のディスプレイや、写真、色合い、コピーライティング、POPなどを駆使し、どうターゲットに注目してもらうかを日夜考えています。

皆さんの会社では一つひとつの商品や、会社から発信されるツール、例えばパンフレットやカタログ、名刺や封筒などの事務用品、会社の看板に至るまでデザインで相手に選んでもらうことを頭に描きながら作っておられるでしょうか?情報発信しておられるでしょうか?

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